設計図を練る。
出来る限り構造はシンプルにいこう。
一枚板で表現できるギリギリを考える。
ペンがさらさらと流れるような筆記体の勢い。
文字が安定するようにと枠の役割も果たしつつ、
繊細で生命力のある唐草のライン。
この2種類の兼ね合い。
一度、板をカットしてから、
造りが弱いようであれば、
再度強度を上げる方法を考えよう。
ある程度は考えてるが、
やってみて勝負なとこもあり。
私の脳みそなんて、そんなもんだ。
10cm以上の地金は基本売っていない。
発注する必要がある。
私は自分で地金を作る場合も多い。
あまった銀のハギレや板を集める。
できれば一枚で取りたい。
少し量が必要だ。
ちなみに私は地金作りが苦手である。
今回も3回失敗した。
いつまでたっても上手くならないなぁと
自分でがっかりする。
まぁ、銀の量が多いので仕方ない。
っと開き直る。
できた地金をたたいて絞め、
よい地金に鍛える。
それから思いの厚みにローラーで延ばし、
何とか必要分の地板が取れた。
![IMG_20170125_110755554.jpg](https://stat.ameba.jp/user_images/20170125/11/anaroma/d6/c0/j/o0685096013853289508.jpg?caw=800)
下書きを貼り付けて切り抜く。
糸鋸師と名乗りだしたのには理由があるが、
それはまた今度話をしよう。
どれだけ流れを切らずに、繊細に切り抜けるか。
今回はここが勝負だ。
正直工程自体は今回複雑なことは一切しない。
切って、曲げて、磨くのみ。
この「切る」という技術を、私はとにかく磨いてきた。
自信はある。
ただ、黙々と切り続ける。
約5時間。
同じ姿勢で机に向かい、
ひたすら糸のこで切っていく。
余分な部分を落としながら、
残ったラインで流れと勢いを表現する。
要らないところをただ切り抜く意識では、
線は繋がらない。
人間の目を侮ってはいけない。
つじつまの合わないものは、見抜かれるのだ。
![IMG_20170125_110611355.jpg](https://stat.ameba.jp/user_images/20170125/11/anaroma/07/99/j/o0685096013853288776.jpg?caw=800)
切り抜き、ラインを細密ヤスリで丁寧に整える。
さすがに右腕が痛い。
まずまずラインが出たのではなかろうか。
他の制作とも平行しているが、ここまで約丸2日。
右手の中指に痛みが走る。
赤く腫れ、水ぶくれができていた。
ヤスリがけの時の痕だ。
いつものこと。
土台はできた。
あとは何も事故がないのを祈るのみ。
続く→ 完結編はこちら
※この物語はフィクションです。
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