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岡田かずちか。 のがみ

中邑真輔壮行試合に寄せて―。



入場してくる時から、
目に涙を浮かべていた。
私にはそう映りました。



レインメーカー オカダカズチカ。


とめどなくあふれ出てくる感情がこみあげてくる時、

レインメーカーが、レインメーカーではなくなるのかもしれません。



‘オカダカズチカ’が、
‘岡田かずちか’に戻る瞬間。


そんな瞬間に触れるとき、
どうにも心を揺さぶられるのです。



2007年‘岡田かずちか’として、
新日本プロレスデビュー。

その年は、私がプロレス担当になった年でもありました。

‘新日本プロレス岡田かずちか’と‘同期’にあたる私は、彼が公私で示す‘感情’に、いつも惹かれていました。



彼は、

とてつもなく情に熱い、心ある人間。
思いやりと信念のある、まっすぐな人間でした。




「片道切符で行ってきます。」
「怪物になるまで帰ってきません。」

彼を送別する際、食事に行った時の彼の言葉です。


時を経て、
米国で経験を積み、
やがて彼は、

レインメーカー‘オカダカズチカ’として、
新日本プロレスに戻ってきました。


それからの彼の活躍は、
もう言及するまでもありません。



歴史を塗り替え、
ついに時代を手にした過程の中で、

もしかしたら、
敢えて感情を押し殺してきた部分もあるのかもしれません。

何かを得るために、
敢えて封じた‘感情’もあるのかもしれません。



でも時々私たちは、
彼の持つ感情がとめどなくあふれ出てくる瞬間に出会うのです。


2015年1月4日もそうでした。

棚橋選手に敗れたあの日。

人目をはばからず、
東京ドームで泣いた彼を見て、
やはり私は、
岡田かずちか’を思い出しました。



そして、今回の、
中邑真輔壮行試合も同じです。

試合が終わり、最後の最後。

CHAOSがリング上に集まった時、


あの時、

‘オカダカズチカ’は
‘岡田かずちか’に、
戻ったのかもしれません。



鼻を啜り、赤らめた顔を手で覆う。
人目をはばからず、涙が頬を伝う。
ぐしゃぐしゃになった顔は、
‘レインメーカー’の持つクールな印象とは、ひどくかけ離れていた。



でも、どうにも胸が熱くなり、
言葉よりもずっと、
‘感情’がダイレクトに伝わってきたのです。




或いは、隠せない感情にこそ、
本当の姿が投影されるのかもしれません。




オカダ選手が、
中邑選手を肩車してリングをぐるりと回る。

2人とも、泣いていました。








ふと思い出すことがあります。

2014年真夏のG1.優勝決定戦。
オカダ選手に敗れた中邑選手が口にした言葉です。

オカダカズチカはどんなプロレスラーに成長していたか、と聞いた問いの答えでした。


「周りからはどう感じられているか、受け止められているかは知らないが、ピュアだよアイツは。非常に伝わってきたよ。」


プロレスに対して、ピュア。


この表現こそが、
真実なのかもしれません。




翻って。


2016年1月30日。
聖地後楽園ホール。



「あれほど仲間の愛情を知った日はなかったですね。」
「アイツがいるからこそ、自分も一つ歩むことが出来たんで、まぁ残すオカダには失礼ですが、『あとは頼むぜ』って言いたいですね。」



戦いを終えた中邑選手が、
最後に残した言葉を耳にしてから、3日。



今夜、茨城から、
また戦いは始まっていきます。



中邑選手から託された、
新日本の未来を守るべく、

‘岡田かずちか’に別れを告げて、
レインメーカー‘オカダカズチカ’として、
今はもうきっと、
前だけを見据えているはずです。



誰よりも、
プロレスに対してピュアだからこそ…。





2月11日。大阪。
中邑選手のいない新日本で初めて行われる、IWGPヘビー級選手権試合。



どんな雰囲気になるのか。

いや。

どんな雰囲気にしてくれるのか。



私たち伝え手も、
感傷にひたる余裕はありません。

センチメンタルな気持ちとも、
お別れです。



新日本プロレスの新たな幕開けを、
より一層、熱を込めてお伝えしていく覚悟です。



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