思い出すこと。想うこと。  のがみ | 俺達のプロレスオフィシャルブログ「ワールドプロレスリング実況アナの俺達のプロレス」Powered by Ameba

思い出すこと。想うこと。  のがみ

びっくりするほど遅れてしまいましたが。


明けましておめでとうございます。(笑)






この写真で、ピンときた方は、


無類の野上通です!(笑)



新日本プロレスワールドのトップ画面で、
こっそり掲載して頂いた写真です!!




1.4東京ドーム。


中邑 VS AJスタイルズ


心血注ぎ。魂込めて実況しました。



試合前、中邑選手と話しをすることが出来ました。


いつもそうです。
中邑選手は多くを語らない中で、
でも胸に響く言葉を残してくださいます。


AJスタイルズが狙いを定めた。
つまりは、‘世界’から唯一無二の‘オリジナル’という評価を得た今だからこそ、
改めて聞いてみたかったことがありました。


何故、‘中邑真輔’は生まれたのか?


そういえば、面と向かってしっかり聞いたことはなかったなぁと…。



東京ドーム。世紀の一戦。

夢のゴングを前にした時間。

静かに燃える闘志をひしひしと感じながら、
カリスマから紡がれる言葉を聞いていました。


全てを変えようと思った、
全てを変えたかったきっかけ。
何故その境地に達したのか。
変化に対する周りの反応。方法論。信念。
インターコンチについて。
AJスタイルズとは?世界とは?

「変わりたいけど変われない。
 自分も含め、多くの悩める社会人は、
 誰もが一歩踏み出す勇気が持てないのではないか?」

私自身の悩みや迷い、葛藤。
私なりの‘仕事論’に関する問いに対しての、
中邑選手なりの明確な答えも説いてくださいました。


「変化や評価を恐れない。」


言葉では簡単に表現できても、
それをやってのけることの難しさは、
誰もがおしなべて、理解しているはずです。


信じた道を突き通し、
ついに‘中邑真輔’が世界に響いた。
世界が‘中邑真輔’を求めたという真実。


こうした事実と想いを、出来るだけ伝えるべく、
実況に臨もうと思いました。


この時、私が考えていた‘世界’という対象は、
具体的には「AJスタイルズ」のことです。


あの時はまだ、
中邑選手が新日本を旅立つなど、
頭の片隅にもありませんでした。




翻って。



今、



いよいよ、旅立ちの日が近付いてきました。



カウントダウンも既に始まっています。



その中で、思い出すことがあります。


私がプロレスを担当して2年。
2008年のことだったかと思います。
中邑選手の、試合前のVTRを制作するために、
インタビューを撮らなければならず、
新日本の道場に足を運び、
私がその聞き手を担当したことがありました。

その際、芯を捉えない私の問いに対して、
「何を聞きたいのかよくわからない。」
「その質問はどういう意図でしてるのか?」
「その質問で、どういう答えを求めているのか?」
と、逆に問い返されたことがありました。
インタビューは当然上手くいかず、
中邑選手に対しても、制作スタッフに対しても、
申し訳ないことをしてしまった…。
と感じたことを記憶しています。


今振り返れば、完全に私の勉強不足でもあり、
用意された質問案を読むだけの、
上辺だけの問いになっていたのです。

文字には起こせない、
言葉では表現しがたい‘深み’にこそ、
プロレスの魅力はあるのかもしれません。
歴史的背景や、生き様を言葉で語るのは容易くありません。
だけど、いや、だからこそ、
必死に言葉で表現するためにはどうしたらいいか考えるのだと思います。


当時の私にはその「熱」が乏しかったのだと思います。


あの時、中邑選手には「プロレス」への想いの軽薄さを、
見抜かれていたのかもしれません。





中邑真輔の入場テーマ曲が好きです。
中邑真輔の入場パフォーマンスが好きです。
振る舞い方が好きです。
考え方が好きです。
戦い方が好きです。
マイクパフォーマンスが好きです。
くねりかたが好きです。
たぎりかたが好きです。


ファンの皆さんから聞こえてくる、
多くの‘好き’は、
きっと最初からそこにあったものではありません。
信念を貫き‘中邑真輔’であり続けてきた先で、
「獲得してきた‘好き’」であるように感じるのです。


だからこそ、
中邑選手の戦いを実況するときには、色々と苦悩しました。
そのイメージに出来るだけ近い言葉を紡ぎたい。
本人の想いに沿いたい。
本人が頭の中で描いている絵を理解したい。


かつて道場で行ったインタビュー。
「あの時に指摘された言葉」が脳裏にはあるから、
畏怖の念さえ抱いていて…。


全ての言葉に、出来るだけ意味を持たせたい。

実況をイメージする根底で、いつもそんなことを考えていました。


近年では、幸運にも、
中邑選手のビッグマッチを実況する機会にも数多く恵まれました。



中邑VS柴田(2014G1開幕戦)
中邑VS飯伏(2015東京ドーム)
中邑VS永田(2015仙台)
中邑VS棚橋(2015G1優勝決定戦)
中邑VSAJ(2016東京ドーム)


敢えて、強烈に思い出に残っている試合を5つあげてみました。


どれも、私にとっては忘れられない試合です。


入場シーン。戦いの内容。
どんな気持ちで実況に臨んだか。
どんな実況をして、自己反省はどうだったか。


全てを記憶しています。


中邑選手の「生き方・信念」を考えることで、
プロレスと、
いや、
もっと言うと、
‘新日本プロレス’と、
より深い部分で向き合えたようにも感じています。




‘キングオブストロングスタイル’




その魂を忘れずに。


伝え手の一人として、精進します。




1月30日。



後楽園ホール。



中邑真輔 壮行試合。


私は、試合後のインタビューを担当します。



あの日、道場で行ったインタビューがオーバーラップするかもしれません。



間違いなく想いはこみ上げてくるでしょう。




全身全霊で送り出し、



そして、



ありったけの感謝を伝えようと思います。