神戸の夜【野上】

中継が終わり、熱く語らった夜。

星野勘太郎さんの追悼記念でもあった昨日の大会も大変な盛り上がりを見せました。

かつての思い出話に花を咲かせ、また、凄すぎたメイン、現在の最高峰の戦いに酔いしれ、そして飯塚高史の狂乱ぶりに恐れをなし…。

野上、２カ月ぶりに担当した、飯塚戦。

第三試合。

放送席で襲撃にあい、観客席へ連れ出され、それでもなんとか脱出をはかり、放送席に戻った私の目に最初に飛び込んだのは、頭から大流血状態の解説山崎さん。飯塚とやり合った際に負傷。いや、飯塚から僕を守ろうとした際に負傷。したということくらい、僕にだってわかりました。放送席に林リングドクターが駆けつける。それでもやはり傷口から流れる血。シャツが血に染まっていく中で解説を続ける山崎さん。

隣で絶句し言葉を失う、自分。

不意に自分に対する不甲斐なさが迫ってきた。

どうしたらいい？と困惑している自分の情けなさを、

高い所から俯瞰しているもう１人の自分がいるようで。

喋ることが仕事なら、

言葉を失った時に自分の存在価値はなくなる。

試合後に色々考えて、むちゃくちゃ悔しくなりました。

あの試合では様々なことを考えさせられました。

で、昨日の打ち上げ。

山崎さん。

解説者、である前に、

元プロレスラー、

だってことを改めて思い知らされました。

当たり前のことですが、すみません…。(汗)

「さすがに今日は、一杯だけにしときます！」

と言いながら、頭に絆創膏を貼って、でも元気いっぱいに、打ち上げで熱く大会の盛り上がりについて語ってくださいました。

山崎さん、

無敵の解説者です。

プロレスラーの次にすげぇのは、元プロレスラーだと思いました。

で、こちらはプロレスラー。

神戸と言えばこの人！

金本選手！

偶然居合わせまして。

勘太郎さんのポーズをする瞬間を、思わずパシャリ。

大いに盛り上がりを見せた神戸大会でしたが、影で支える方々の力を忘れてはなりません。

神戸大会のプロモーターで、星野勘太郎さんの甥っ子でもある、星野真二さんがわざわざ、我々のもとに挨拶にきてくださいました。こうした細々とした気遣いを忘れない方で、我々も常に勉強させられます。いつも笑顔で周りを盛り上げ、星野真二さんのもとには人が集まってきます。

勘太郎さんの追悼大会だったからこそ、絶対に成功させたいんだ！と公言していた通り、想いが伝わって、大成功、大盛況のうちに大会は終わりました。

最後は、おなじみのポーズで。

一番右の顔が白い方、どこからか差し込んできた光に押しつぶされそうになっているのが吉野アナです。（このコメントは、吉野アナへのささやかな抵抗です(笑)）

星野真二さんは、

「自分は控え目に後ろで良いです」

と言いながら、こっそり写真に写ってくださり、神戸の夜は終わりを迎えました。