どこへでも。高い空には、 大きな入道雲がいくつもある。 せみは、重なって切れることなく泣き続ける。 扇風機は、ずっとこっちを向いている。 夏は、 今年もやってきた。 目をつむれば、いつの夏かわからなくなるほど、 何も変わらないこの感じ。 ふと、こんな自由な時間を、不安に思ったり、 それでも、自由に喜んでいる。 夕暮れは、不安と涼しさをつれてくる。 何も変わらない。 心地よい、扇風機の音もせみの声もテレビも声も 小さくなる。 私は、またどこかへいく。