Facebook 友達への説明 サーンキヤ哲学

 Facebook 友達の中のお2人からインド思想の説明をしてくれとのリクエストが有りましたので次のように書いてみました。

 サーンキヤ哲学は一般にヨガの哲学と言われていますが、霊性(プルシャ)と現象世界(プラクリティ)の両方が実在するとする二元論です。当初プルシャ(霊性)は自分の事をプラクリティ(現象世界)であると誤解しますが、プラクリティはプルシャの前でダンスを踊って見せて「あなたはプラクリティでは無くてプルシャなのよ」と説明、そこでプルシャは自分は霊性であると理解して本来の姿に戻ります。ここでプルシャは男性名詞、プラクリティは女性名詞だそうです。

 プルシャはプラクリティの活動を見ているだけで何もしません。一方プラクリティは展開を始め、統覚→心→体→環境世界へと展開します。つまり心と体と環境世界は同根でひとくくり(プラクリティの展開)で、それとはまったく別に霊性(プルシャ)が実在します。

 サーンキヤ哲学は霊性(プルシャ)の実在と共に現象世界(プラクリティ)の実在を主張、ここが私は大好きです。ここで男性名詞のプルシャはシヴァ神、そして女性名詞のプラクリティはシヴァ神の妃のパールヴァティーに相当します。

 サーンキヤ哲学はのちに発展してタントラ化するのですが、タントラの主役であるシャクティ(別名クンダリニー、女性の性的なパワーを神格化したもの)はプラクリティに相当し、(体の基底部に居る)シャクティ=クンダリニーが上昇し(体の登頂に居る)シヴァと合体して恍惚世界に到るそのシヴァはプルシャに相当します。

 インド思想は細密な哲学の中に突然男女の神様が登場しまして、なんだか思想の熱帯雨林みたいですね。ともあれサーンキヤ哲学はヨガの哲学ナンバーワンです。

 補足:タントラとは何かを説明するのは大変難しいのですが、タントラには古典ヨガのヨーガスートラには無い特徴として①身体の働きを大切にするところ(体内の7つのチャクラ=輪や、3本のナーディ=脈管の存在や、数多くのアーサナ=ヨガのポーズ、バンダ=締め付け、ムドラー=印、等を説明)や②イマジネーションの羽を大きく広げて羽ばたかせるところが有ります。