広島と山口

 先月はうちの人が古希(70才)を迎えましたのでそのお祝いを兼ねてパッケージツアーを探し、2泊3日で広島と山口へ行って来ました。

 1日目

 広島には9時40分に着いたのでこの日はゆっくりと安芸の宮島の観光をしました。宮島口からフェリーで宮島へ渡り(宮島が島だとは知りませんでした)、(和様と唐様の)五重塔と(豊臣秀吉が途中まで建設した)千畳閣を見たあと厳島神社に入場します。朱色の社殿と隙間の空いた廊下が印象的だが社殿と海とのコントラストが見事。いちおう拝殿の写真は撮りました。そして社殿を出た所で外人さんが私達夫婦のツーショット写真を撮ってくれましたが、普通の顔をしていると「はい、笑って」と注文されます。

 厳島神社の拝観が終わりますと紅葉谷公園→大聖院→白糸の滝と歩いてみます。紅葉谷公園の紅葉は全くの不発でしたがそこで食べたかやくうどんはなかなかで、牡蠣、穴子、牛肉、卵焼きが入っていました。大聖院や白糸の滝のあたりは人もまばらで、日本人よりも外国人の方が多く、よく調べているなあと感心します。

 ひと通り巡ってみますとまだまだ時間が有るので、もう1度大鳥居を見たくて海岸まで降りてみました。

 海岸へ出てみますとそこは無料の為か外国人達の多い事。大鳥居を間近に見ていますとここでも外人さんが私達夫婦のツーショット写真を撮ってくれます。そしてここでも「はい、笑って」。そしてうちの人が外人さんの写真を撮ってあげました。

 2日目

 この日の午前は原爆ドームのあたりを散策しました。原爆ドームもそうですが、やはり原爆を投下された街の土を踏んでいますとテレビで見ているのとはまるで印象が違い、被爆者(被災者)の心境に近づける気がしました。そしてバスに乗りますと次は山口は岩国の錦帯橋の観光でした。錦帯橋は木造の複数のアーチ型の橋で、アーチを下る時に少し右の膝が痛みます。これから先大丈夫だろうか。錦帯橋から少し歩くと白蛇の館と言うのが有って、そこで白蛇の写真を撮りました。来年は巳年(蛇年)なのでお正月に使えそう。

 午後は念願の秋吉台と秋芳洞の観光です。私の父は山口高商(現在の山口大学経済学部)を出ていますので、幼い頃に父は秋吉台や秋芳洞の話をよくしてくれまして、大人になったら1度は秋吉台や秋芳洞を見てみたいという思いがここで叶いました。カルスト台地の秋吉台は私が想像していたよりもかなり狭くて少し失望しましたが、昭和の始め頃に大学生だった父はここで何を思っていたのだろうかと想像を巡らせました。そして秋芳洞に入りますと中は少しばかり蒸し暑く、1kmばかりの暗い穴道を下って進みます。ここで私の右の膝は痛みを増し、私は手摺りを確保しながら地下道を進みました。鍾乳洞は大変立派なもので、これは世界に誇れます。あちこちに石灰の柱が垂れ下がり、また石灰の棚田のような場所も有り、トルコはパムッカレの石灰棚温泉を思い出しました。しかしここの暗闇の照明下の石灰棚と青空の下の白とブルーのパムッカレの石灰棚とは大分印象が違います。

 3日目

 3日目は山口の日本海側をあちこち(山口が日本海に面しているとは気づきませんでした)。先ずは船に乗って青海島を見物。それからバスは狭い道をどんどん登って行き(舗装はされているが車の交差が出来ない程)、SNSでバズって有名になったと言う元乃隅神社に到着。山の上から海まで多数の朱色の鳥居が続いており、海の青に鳥居の朱が映える事。長い石段を下り終えて景色を見渡し、再び小高い山を登りますとそこには一段と大きい神社の鳥居が有って、鳥居の上部に賽銭箱が取り付けて有りました。この賽銭箱にお賽銭を見事に投げ入れると何か良い事が起こるそうで、シニアの大人達が次々に挑戦しますが皆さん失敗、コインを投げ上げてもなかなか賽銭箱に入りません。そこにうちの人も挑戦。2度は失敗しましたが3度目に見事に成功、これから何か良い事が起こりそうです。宝くじでも買ってみましょうか。

 次にバスが向かったのは角島大橋、青い海に白くて長い橋の映える事。海は右から左へのコバルトブルーからエメラルドグリーンのグラデーションはこんな景色が日本に有ったのかと驚かせてくれます。そしてここからは萩の城下町→松陰神社・松下村塾、更に島根の小京都津和野へ足を延ばして街並みを散策、森鴎外ゆかりの養老館などを見て島根の萩・石見空港へ向かい、1日に2便しか飛ばないという飛行機で羽田空港へ帰って来ました。

 今回のツアーではあの厳島神社よりも秋吉台と秋芳洞が私にはメインでした。いつかは訪れたかった秋吉台に立って若き日の父が何を思っていたかに想像を巡らせる事が出来、本当に有意義な3日間のツアーでした。そうそう、右の膝の痛みも治りましたよ。