取り越し苦労と持ち越し苦労
私の好きなお話が有ります。有る時修行中の2人の若いお坊さんが森を歩いていました。2人が小川に差し掛かりますと1人の若い娘が川を渡れなくて困っています。そこでお坊さんAはこの娘をおんぶして向こう岸まで渡してあげました。お坊さん2人が川を渡ってなおも歩いていますとお坊さんBがお坊さんAを「お前は修行中の身で有りながら若い娘をおんぶするとは何事だ、けしからん」と非難します。するとお坊さんAはお坊さんBに向かって言いました、「君はまだあの娘をおんぶしているのか?私は川を渡った所で降ろして来た」。
最近では、中国は台湾にいつ侵攻するのだろうか、そうなったら中国のミサイルからどうやって身を守ろうか、と不安と恐怖の真ん中あたりで気が塞がっている方もおられるでしょう。しかし、これは取り越し苦労と言います。国と国との諍いのなかで個人が出来る事は限られていますから、有事に対してはせっせと働き多額の税金を納めて国家の防衛費に貢献する、またいよいよとなったら国が発行する戦時国債を買って自衛隊を応援する等やるべき事は既に決まっていますから、やる心構えさえ作っておけばよいでしょう。どうなるか分からない未来についてくよくよと悩む必要は有りませんで、その時になればその時に発奮してやるべき事をやれば良いです。これを臨機応変と言います。
良寛は「病の時節には病になるのが、死ぬ時節には死ぬのが良かろう」と、取り越し苦労を解除してくれています。
また、今の会社はストレスばかりでつまらない、就職活動の時に内定を貰っていた他の会社にしておけば良かったのだろうか、と思い悩んでいる人も有るでしょう。あの時にああしておけば、これを持ち越し苦労と言います。そしてこれも取り越し苦労と同様で、やるべき事は既に決まっていましてやるべき事は2つ、周りの状況が変わるのを待つか自分が変わる、つまり意を決して転職するかですよね。既に起こってしまった事は変えようが無いのですから過去を蒸し返す事は止めて今を決めるとすれば心のお荷物を引きずる事は有りませんね。
持ち越し苦労はあちこちに有ります。自動車を買ったのは良いけれどあの車にしておけば良かったかな、結婚したのは良いけれどあの人にしておけば良かったかな、そして就職したのは良いけれどあの会社にしておけば良かったかな。
取り越し苦労も持ち越し苦労も百害あって一利なし、おんぶしてあげた娘は川岸に降ろして行きましょう。
明日を思い悩むなかれ、今日は今日の苦労にて足れり(新約聖書)。
未来を恐れず過去を引きずらず、人生は「今」です。
私の好きなお話が有ります。有る時修行中の2人の若いお坊さんが森を歩いていました。2人が小川に差し掛かりますと1人の若い娘が川を渡れなくて困っています。そこでお坊さんAはこの娘をおんぶして向こう岸まで渡してあげました。お坊さん2人が川を渡ってなおも歩いていますとお坊さんBがお坊さんAを「お前は修行中の身で有りながら若い娘をおんぶするとは何事だ、けしからん」と非難します。するとお坊さんAはお坊さんBに向かって言いました、「君はまだあの娘をおんぶしているのか?私は川を渡った所で降ろして来た」。
最近では、中国は台湾にいつ侵攻するのだろうか、そうなったら中国のミサイルからどうやって身を守ろうか、と不安と恐怖の真ん中あたりで気が塞がっている方もおられるでしょう。しかし、これは取り越し苦労と言います。国と国との諍いのなかで個人が出来る事は限られていますから、有事に対してはせっせと働き多額の税金を納めて国家の防衛費に貢献する、またいよいよとなったら国が発行する戦時国債を買って自衛隊を応援する等やるべき事は既に決まっていますから、やる心構えさえ作っておけばよいでしょう。どうなるか分からない未来についてくよくよと悩む必要は有りませんで、その時になればその時に発奮してやるべき事をやれば良いです。これを臨機応変と言います。
良寛は「病の時節には病になるのが、死ぬ時節には死ぬのが良かろう」と、取り越し苦労を解除してくれています。
また、今の会社はストレスばかりでつまらない、就職活動の時に内定を貰っていた他の会社にしておけば良かったのだろうか、と思い悩んでいる人も有るでしょう。あの時にああしておけば、これを持ち越し苦労と言います。そしてこれも取り越し苦労と同様で、やるべき事は既に決まっていましてやるべき事は2つ、周りの状況が変わるのを待つか自分が変わる、つまり意を決して転職するかですよね。既に起こってしまった事は変えようが無いのですから過去を蒸し返す事は止めて今を決めるとすれば心のお荷物を引きずる事は有りませんね。
持ち越し苦労はあちこちに有ります。自動車を買ったのは良いけれどあの車にしておけば良かったかな、結婚したのは良いけれどあの人にしておけば良かったかな、そして就職したのは良いけれどあの会社にしておけば良かったかな。
取り越し苦労も持ち越し苦労も百害あって一利なし、おんぶしてあげた娘は川岸に降ろして行きましょう。
明日を思い悩むなかれ、今日は今日の苦労にて足れり(新約聖書)。
未来を恐れず過去を引きずらず、人生は「今」です。