発音が変

 6月の中頃でしたが、夕食を食べていたら右下の歯の銀色のかぶせ物が取れてしまいました。何年前に治療したのかも憶えていませんが今は虫歯でも無く、痛くも何とも有りません。しかし取れた物を放って置くのも良く有りませんし、歯医者さんに予約を入れる事としました。これまで掛かっていた歯医者さんはご高齢と腰痛のためにリタイアされていましたので、最近開業された歯医者さんに電話です。

 6月28日の夕方に新しい歯医者さんへ行きますと、さすが、機材が新しい。治療台はうしろに倒れるだけで無く椅子自体が適当な高さまで上がりますし、先生の椅子も有ってそれが自動的に高さを調整します。これなら先生の腰に負担も掛かりませんし大進歩。先生は私の口の中を観察して治療方針を考え、次回は麻酔を打って歯を削り整え、その次には金属を新しくかぶせましょうと言ってくれました。

 そして安倍晋三さん暗殺事件の有った7月8日の夕刻、心はざわざわしていましたが歯医者さんへ出かけました。

 先生は歯茎に麻酔の注射を打ち、歯の黒い所を削り整え、歯形を取り、仮の樹脂製のかぶせ物をしてくれました。機材が新しいので削っている感じもしませんし、また唾液を吸い取る装置もノーストレス、以前は唾液で溺れそうになったものです。思い出せば子供時代の歯医者さんは怖かったですね。歯を削っていると頭蓋骨がガアガアと振動しましたし、またこれが神経に触るとまあ痛かった事。歯医者さんも大進歩で有ります。そして次の予約は7月20日の水曜日だそうです。

 帰宅しますと夕食はピザ。遠慮なく噛んでいましたらさっきかぶせてくれた樹脂製のかぶせ物が少しばかり取れてしまいます。次は7月20日だけど、まあ、このまま持つだろう。

 それから3日後の7月11日の夕食時、しっかりと固めのハンバーグステーキを噛みしめますと、今度は何故か右下の歯に舌が触ります。そして痛い。慌てて指で触ってみますと右下の歯が刃物のように尖っていて舌にヒリヒリと触ります。どうやらかぶせてあった樹脂製のかぶせ物が取れてしまい、それを一緒に飲み込んでしまったようです。そしてかぶせ物の取れた歯が刃物のように舌を刺激しています。次の予約は9日後だけど、それまで我慢するか。

 しかし舌は遠慮無く歯に触りますし、これが結構痛い。

 寝る時にも舌は痛み、なかなか寝付けませんでした。そして夜中にも舌が痛くて何度か目を覚ましてしまいます。8日後の予約日まで我慢していたら舌はどうなるだろうか、傷ついて腫れあがってしまうかも。よし、朝になったら歯医者さんに電話をしてもっと早く診て貰おう。

 起床して顔を洗うと午前9時丁度に歯医者さんに電話をしました。事の次第を話しますと今日の10時半に来て下さいとの事。良かった、あと何日も痛みに耐えなくて済む。しかし、自分の言葉の発音が変です。舌が痛いとこうも発音が変になるのか。舌癌のタレントを思い出してしまいました。

 「急にお願いして申し訳有りません」と診察台に座りますと先生が口の中を覗いてくれ、「かぶせ物が半分無くなっていますね、これは全部取り換えておきましょう。金属をかぶせるのは次回ですね」。そして会計はたったの60円でした。帰宅すると舌に口内炎の薬を塗って一安心。

 舌が歯に当たって痛い時には我慢せず、躊躇なく歯医者さんへ行きましょう。ヨガで治そうと考えてはいけません。