スルジョベドナ

 左右の鼻孔を交互に使う呼吸法です。ペール・ウインター先生はこれをハタ・プラーナヤーマと呼んでいますが私の先生はカルカッタの人ですから恐らくこれはベンガル語でしょう。

 スカ・アーサナ(胡坐、あぐら)で坐り両手は両膝に添え、そして口から大きく息を吐いて目を閉じる。

①右手親指で右の鼻孔を塞ぎ左手は膝の上で上を向け、親指を内に(手の平に)折り込む。
左の鼻孔から息を吸う。
②息を吸い終わったら左手親指で左の鼻孔を塞ぎ右手は膝に下ろして上を向け親指を内に(手の平に)折り込む。
右の鼻孔から息を吐く。
③息を吐き終わったらそのまま右の鼻孔から息を吸う(Uターンですね)。
④息を吸い終わったら右手親指で右の鼻孔を塞ぎ、左手は膝に下ろして上を向け親指を内に(手の平に)折り込む。
左の鼻孔から息を吐く。これで元に戻りました。

 ①から④までを全部で6回、これで1セット。5カウント休んでもう1セット(6回)やり、終わったらサバ・アーサナ(死体のポーズ、仰向けに寝て目を閉じて力を抜く)で30カウント休む。

 私はこの6回を2セットやるのに20分掛かります。若い頃には私はこのスルジョベドナは退屈で好きでは有りませんでしたが最近ではお気に入りの呼吸法です。そして深くて長い呼吸をしていますとカウントを数えるのにどうしてもビジュアルなシンボルが欲しくなる、と言いますか自然にビジュアルなシンボルが現れます。スルジョベドナのこの意識の流れを以下に書いて見ましょう。しかし皆様にはお願いが有ります、決して私の真似(まね)をしないで下さい。人にはそれぞれの体質や潜在意識の内容が有って夫々に違います。そこで、自身に現れるビジョンに従って(逆らわず)やる事が大切なポイントですから。

①左の鼻孔から息を吸い始めると同時に意識は肛門に置き(心の中でテンポ良く:5カウント)(5カウント)(5カウント)
胸のあたりにカルカッタ近郊の懐かしいお寺の本尊の石が思い浮かび(5カウント)
石の上に供物のピンクがかった白いユリのような花を見る(5カウント)
額(ひたい)のあたりにラヒリ・マハサヤ(私の尊敬するヨガ行者)の姿を見、(5カウント)
更にラヒリ・マハサヤのパワーを見て(5カウント)
呼吸の1回目なので頭頂部に1(いち)を意識して1回目を確認しながら(5カウント)(5カウント)息を吸い終わりました。

②右の鼻孔から息を吐き始める。サハスラーラ・チャクラ(頭頂部)に意識を置いて(5カウント)
アージュニャー・チャクラ(眉間)に意識を置いて(5カウント)
ビシュッダ・チャクラ(喉のあたり)に意識を置いて(5カウント)
アナハタ・チャクラ(心臓のあたり)に意識を置いて(5カウント)
マニプラ・チャクラ(おへそのあたり)に意識を置いて(5カウント)
スヴァーディシュターナ・チャクラ(生殖器のあたり)に意識を置いて(5カウント)
ムーラダーラ・チャクラ(尾てい骨のあたり)に意識を置いて(5カウント)
まだ息が残っているので尾てい骨の先に尻尾(しっぽ)をイメージし、呼吸の1回目なので1(いち)を尻尾(しっぽ)の上に乗せ(5カウント)(5カウント)
息を吐き終わりました。

③右の鼻孔から息を吸い始める。意識は肛門に置き(5カウント)(5カウント)(5カウント)
意識が目の前へ跳躍し(5カウント)
成層圏の地球が現れる(5カウント)
地球の影から太陽が現れ(5カウント)
太陽の手前には満開の桜の花々(5カウント)
桜の花々が満天の星に転変し(5カウント)
呼吸の1回目なので1(いち)を頭頂部に置いて(5カウント)
息を吸い終わりました。

④左の鼻孔から息を吐き始める。サハスラーラ・チャクラ(頭頂部)に意識を置いて(5カウント)
アージュニャー・チャクラ(眉間)に意識を置いて(5カウント)
ビシュッダ・チャクラ(喉のあたり)に意識を置いて(5カウント)
アナハタ・チャクラ(心臓のあたり)に意識を置いて(5カウント)
マニプラ・チャクラ(おへそのあたり)に意識を置いて(5カウント)
スヴァーディシュターナ・チャクラ(生殖器のあたり)に意識を置いて(5カウント)
ムーラダーラ・チャクラ(尾てい骨のあたり)に意識を置いて(5カウント)
まだ息が残っているので尾てい骨の先に尻尾(しっぽ)をイメージし、呼吸の1回目なので1(いち)を尻尾(しっぽ)の上に乗せ(5カウント)(5カウント)
息を吐き終わり、これで元に戻りました。

 ①から④を6回繰り返すのですが、回数を確認するところで1(いち)を2(に)に、2(に)を3(さん)に・・・と6回入れ替えます。5カウント休んで更にもう1セット(6回)やってスルジョベドナの終了、サバ・アーサナ(死体のポーズ)で休みます。

 以上、私の呼吸に伴う意識の流れをご紹介しましたが、皆様には再度お願いします、決して私を真似(まね)しないで下さい。人には夫々の体質や潜在意識の内容が有って夫々に違います。自身の体質や潜在意識から現れるビジョンに従って(逆らわず)やりませんと、かえって自分を締め付けてしまい自由を失う恐れが有ります。

 決して私の真似(まね)をしないで下さい。ただ、そうやって呼吸をコントロールしているのかと参考にしていただく為だけに書いたものです。