こんな映画は観たくない
最近イギリス製のテレビドラマが人気だと何かで読みました。その理由の第1はイギリスのテレビ会社がCG技術を容易に使えるように設備投資をしたこと、第2は出演俳優についてこれまでのリアリティ路線を止めて美男美女路線に変えたからだそうです。
今年の正月休みの夕方に何気なくつけたNHK総合テレビのイギリス製恐竜ドラマ「プライミーバル」の面白かったこと。どう考えてもテレビ放映の時間消化に当てたとしか思えない扱いで、何日か続けて放映された後にいきなり打ち切りになりました。思えばこれがそのイギリス製人気テレビドラマでした。CGを上手に使い、出演するのは美男美女、ニュースに書いてあった通りです。内容は、現代のイギリスに突然時空の裂け目が生じ、裂け目から古代の恐竜がこちらへ入って来て暴れる。それに大学教授をリーダーとする調査チームが対応して恐竜を何とか向こうの世界へ押し返すというもので毎回出てくる恐竜が変わります。間にチーム内の恋愛話も入って見る者を飽きさせません。
海洋恐竜モサザウルスが登場する回では、先ず教授がこちらの湖から向こうの湖へ潜って行くのですが、そこに巨大なモサザウルスが現れます。モサザウルスが教授に向かって突進し、絶体絶命。ところがモサザウルスは教授の側にいた別の恐竜を食ってしまうのです。これは「ジュラシックパーク」の最後のシーンのパクリですね。次にはこちらの湖に居る青年男女がモサザウルスに狙われます。2人は何とか岸辺へ逃げるのですがモサザウルスの突進はすさまじく、陸上まで半身を乗り上げて2人に噛みつこうとします。これは「ジョーズ」のパクリです。それでも脚本に余裕があるので見る者は彼等に感情移入が出来、ハラハラドキドキしてしまいます。
空を飛ぶ恐竜プテラノドン1羽とそれよりずっと小型のやはり空を飛ぶ恐竜の大群が登場する回では、1軒の屋敷に閉じ込められた教授と1人の女性スタッフが大ピンチ。そこへ謎の女が現れ、大群を1部屋に引き付けてガスの栓を開け、電子レンジのチンで部屋は大爆発、恐竜の大群は全滅です。ヒッチコックの「鳥」を彷彿とさせます。
この他にもドードー鳥や古生代の節足動物等が登場するのですが、番組は突然打ち切られました。
再放送は無いものかと思っていましたら、NHKが「プライミーバル」の第2章を放映することが分かりました。8月27日(木)から7回あるそうです。私が正月に見たのは第1章だったという訳です。今度はNHK木曜ドラマの枠、午後8時からのゴールデンタイムですから感激です。
第1回は「ジュラシックパーク」で活躍したラプトルが登場するというので力が入りました。ボウリング場のあるショッピングモールにラプトルは現れます。大人のラプトルが2頭と子供が1頭。最後には教授達のチームがラプトル3頭を向こうの世界へ押し返すのですが、まあ、ハラハラドキドキでした。脚本が良くカット割りも自然で、間に恋愛話も入っていて、要所に洒落たセリフがあります。
さて数年前、黒人が主役のアメリカのアクション映画「バッドボーズ 2バッド」というのをテレビで観ました。しばらく観ていると妻が「この映画はカメラを振り回すから眼が回る」と言います。実際にはカメラは振り回してはいません。1カットの時間がやたらに短いのです。1カットが1秒から2秒くらい、これが延々と続くので忙しいこと。昔の映画はアップ(顔)のカットで5秒、ロング(遠景)のカットで10秒という暗黙の了解があって、それが観客の眼にも自然な流れを作っていたので安心して観ていられましたし、観客はスクリーンに向かって感情移入も出来たのです。1カットが1秒か2秒というのはテレビCMの世界です。ですから「バッドボーイズ 2バッド」は言うならば映画館の大画面でテレビCMを2時間ほど見せられ続けるようなもので、そこでは感覚が麻痺してしまって感情移入の余地が無い、「意図された只の時間潰し」なのです。時間潰しは時間の無駄です。
最近のアメリカのアクション映画はCGを駆使し、短いカット割りの連続で観客を飽きさせませんが、感情移入の余地の無い只の時間潰しになってしまったようで、こんな映画は観たくもありません。「バッドボーイズ 2バッド」を観てから、私はテレビでアメリカのアクション映画を観なくなりました。
「プライミーバル」の次回は9月3日(木)午後8時からです。お勧めです。
最近イギリス製のテレビドラマが人気だと何かで読みました。その理由の第1はイギリスのテレビ会社がCG技術を容易に使えるように設備投資をしたこと、第2は出演俳優についてこれまでのリアリティ路線を止めて美男美女路線に変えたからだそうです。
今年の正月休みの夕方に何気なくつけたNHK総合テレビのイギリス製恐竜ドラマ「プライミーバル」の面白かったこと。どう考えてもテレビ放映の時間消化に当てたとしか思えない扱いで、何日か続けて放映された後にいきなり打ち切りになりました。思えばこれがそのイギリス製人気テレビドラマでした。CGを上手に使い、出演するのは美男美女、ニュースに書いてあった通りです。内容は、現代のイギリスに突然時空の裂け目が生じ、裂け目から古代の恐竜がこちらへ入って来て暴れる。それに大学教授をリーダーとする調査チームが対応して恐竜を何とか向こうの世界へ押し返すというもので毎回出てくる恐竜が変わります。間にチーム内の恋愛話も入って見る者を飽きさせません。
海洋恐竜モサザウルスが登場する回では、先ず教授がこちらの湖から向こうの湖へ潜って行くのですが、そこに巨大なモサザウルスが現れます。モサザウルスが教授に向かって突進し、絶体絶命。ところがモサザウルスは教授の側にいた別の恐竜を食ってしまうのです。これは「ジュラシックパーク」の最後のシーンのパクリですね。次にはこちらの湖に居る青年男女がモサザウルスに狙われます。2人は何とか岸辺へ逃げるのですがモサザウルスの突進はすさまじく、陸上まで半身を乗り上げて2人に噛みつこうとします。これは「ジョーズ」のパクリです。それでも脚本に余裕があるので見る者は彼等に感情移入が出来、ハラハラドキドキしてしまいます。
空を飛ぶ恐竜プテラノドン1羽とそれよりずっと小型のやはり空を飛ぶ恐竜の大群が登場する回では、1軒の屋敷に閉じ込められた教授と1人の女性スタッフが大ピンチ。そこへ謎の女が現れ、大群を1部屋に引き付けてガスの栓を開け、電子レンジのチンで部屋は大爆発、恐竜の大群は全滅です。ヒッチコックの「鳥」を彷彿とさせます。
この他にもドードー鳥や古生代の節足動物等が登場するのですが、番組は突然打ち切られました。
再放送は無いものかと思っていましたら、NHKが「プライミーバル」の第2章を放映することが分かりました。8月27日(木)から7回あるそうです。私が正月に見たのは第1章だったという訳です。今度はNHK木曜ドラマの枠、午後8時からのゴールデンタイムですから感激です。
第1回は「ジュラシックパーク」で活躍したラプトルが登場するというので力が入りました。ボウリング場のあるショッピングモールにラプトルは現れます。大人のラプトルが2頭と子供が1頭。最後には教授達のチームがラプトル3頭を向こうの世界へ押し返すのですが、まあ、ハラハラドキドキでした。脚本が良くカット割りも自然で、間に恋愛話も入っていて、要所に洒落たセリフがあります。
さて数年前、黒人が主役のアメリカのアクション映画「バッドボーズ 2バッド」というのをテレビで観ました。しばらく観ていると妻が「この映画はカメラを振り回すから眼が回る」と言います。実際にはカメラは振り回してはいません。1カットの時間がやたらに短いのです。1カットが1秒から2秒くらい、これが延々と続くので忙しいこと。昔の映画はアップ(顔)のカットで5秒、ロング(遠景)のカットで10秒という暗黙の了解があって、それが観客の眼にも自然な流れを作っていたので安心して観ていられましたし、観客はスクリーンに向かって感情移入も出来たのです。1カットが1秒か2秒というのはテレビCMの世界です。ですから「バッドボーイズ 2バッド」は言うならば映画館の大画面でテレビCMを2時間ほど見せられ続けるようなもので、そこでは感覚が麻痺してしまって感情移入の余地が無い、「意図された只の時間潰し」なのです。時間潰しは時間の無駄です。
最近のアメリカのアクション映画はCGを駆使し、短いカット割りの連続で観客を飽きさせませんが、感情移入の余地の無い只の時間潰しになってしまったようで、こんな映画は観たくもありません。「バッドボーイズ 2バッド」を観てから、私はテレビでアメリカのアクション映画を観なくなりました。
「プライミーバル」の次回は9月3日(木)午後8時からです。お勧めです。