神様は男性か女性か 補足

 イラクの情勢について妻が言います、「スンニ派とシーア派ってなんで殺しあうのかしら」。私は答えます、「スンニ派とシーア派っていうから分かりにくいんだよ。スンニ族とシーア族っていうと分かるだろ」。宗派の教義がすこし違うからといって殺しあわなければならない宗教などありません。もともと宗教とは極めて個人的な体験であり、他人と競ったり、他人に強制するものではありません。ですから宗教には争いや殺しあいなどの入る隙間はないのです。イラクでの殺し合いは宗教に名を借りた部族間の抗争だと分かりますね。

 日本にも宗教のいろんな宗派がありますね。宗派によってあの世での扱いが違うのでしょうか。ハワイ旅行を想像してください。入国審査を終え税関を通ると空港のロビーに出ます。ロビーにはツアーの現地スタッフがいて、旗やボードを持って迎えてくれます、「何々ツアーの方はこちらでーす」。スタッフは客にツアーのサービスやオプションについて説明したあと客をそれぞれのホテルへ連れて行き、チェックインまで繋いでくれます。

 それでは私達があの世へ行ったと想像してみましょう。そこでは現地スタッフが迎えてくれます。「あの世へようこそ。私達がご案内します」。「創価学会さん?でしたら日蓮正宗さんとは別の棟になります」。「キリスト教ですか?建物に十字架が見えるのですぐ分かりますよ。カトリックですと十字架にイエス・キリストが懸かっていますがプロテスタントだと偶像崇拝がないので十字架だけです、イエス・キリストは懸かっていません」。「曹洞宗ですか?はい、あそこの渋い感じの建物です」。「えっ、無宗教ですか?うーん、しばらく体育館で待機してください、あとで別の者がご案内に参ります」。なんてことが起こる訳がないですよね。あの世へ行くのに宗教や宗派は関係ありません。神様は全てお見通しです。こちらから申請する必要もありません。

 あの世へ行くのに書類やハンコは要りません。

 ついでに天国と地獄についてお話ししましょう。あの世には天国も地獄もありません。天国で体験するとされる心地よさ、美味しさ、楽器の音色、美女達。地獄で体験されるとされる熱さ、痛さ、空腹、苦しさ。これらは心を含む体の働きです。官能、感覚といったものは私達があの世へ行くときには体と一緒にこの世に置いていきます。ですからあの世には天国も地獄もないのです。

 あの世に地獄はありません、地獄があるのはこの世です。