その時。

例えば肉親や友人が亡くなった時、その死が突然であればあるほど、理解するのは難しい。

時間がかかる、という問題ではない。時間がかかっても分からないものは分からないし、当人には何一つ聞けないのだから、ある意味迷宮入りみたいなものなのだ。

よく突然死んだ人間は、自分が死んだ事に気づかなくて、魂がその場に居続けるなんて言ったりするけど。本当にそうかも知れない。当人ですら、死を受け入れる過程が必要なんだ。

例えば家族でも友人でも、死を受け入れるのは一人でやらなければならない。あまりの悲しみに記憶が飛んだり、空っぽな時間が流れたりしても、止まらない日々の生活の中、やるべき事は目の前に現れる。

そうやってやるべき事をやっているうちに、何となく頭が落ち着いてきたり、逆にものすごく寂しくなったりする。分からないものは分からないまま、それでも鮮やかに残る故人の思い出を胸に、生きていく。

人は平然と過ごしているようで、実際は全然平然でなかったりする。フジファブリックも2011年に再始動したけど、全然平然ではなかったはずだ。

きっと再始動してしばらく経ってからの方が、心も頭も大変だったと思う。

それでも『全部引き連れていく』と決めたフジファブリック。３人の中では、フジファブリックは、デビューから同じ山を同じ靴で登り続けている感じなのかな。