ともに生きる社会を考える  (動物愛護 動物福祉に関するお話 第13回) | 今日のしっぽ村

今日のしっぽ村

東日本大震災を機に発足した犬猫保護団体。
2019年台風19号で被災した犬猫保護施設。

能登半島地震災害支援活動へのご支援をお願い申し上げます。





みなさま こんばんは😊


お久しぶりになっていましたが💦

⬇︎



シリーズ13回目となる今日は、

犬や猫とわたしたち人間が

「ともに生きる社会」において
必要なことを


一緒に考えていきたいと思います。





ここでは

多頭飼育崩壊』に目を向けながら
お話を進めていきましょう。





ん?


「たとうし いく」だって?

いったい 
どこへ行くんだい?👀






あらあら

ボビーくん😉💦💦


「たとうし」という場所だと思ったのかな?


どこへも行かないから 
だいじょうぶよ☺️








それでは まずはこちらのクイズから
始めていきますよー✨



〇か✕でお答えください。


Question❣️

日本では、飼育頭数が一定数を超えた場合に、条例で届出が義務付けられている地域がある。



さぁ✨ どうでしょうか?





答えは 〇 ですね😊


例えば、しっぽ村のある神奈川県では
県の条例で

犬又は猫の飼育者は、その飼養し、又は保管する犬や猫(生後91日未満を除く)の合計数が一の施設において10頭以上となった時には、その日から30日以内に知事に届けなければならない。(神奈川県動物の愛護及び管理に関する条例:令和元年10月1日施行)


と定められています。




なぜ、このように届出が義務付けられるようになったのでしょうか?



それは、個人の限界を超えた多数の動物を飼育することで、ついにはお世話が行き届かなくなり「飼育崩壊」するケースがあとを絶たないからなのです😢



では
多頭飼育をすると、必ず「崩壊」してしまうのでしょうか?


いいえ

そうではありませんね。



けれども、

多頭飼育」にはリスクが伴います⚠️




どんなリスクでしょうか?



想像してみましょう。





😲「災害が起きた時、たくさんの動物と一緒に安全な避難生活が送れるのかな?」


⚠️「動物どうしの関係に気を配らないといけないね。」


😣「鳴き声や臭いのことで、ご近所さんとトラブルにならないかな?」


😢「わたしが病気やケガをしてお世話が出来なくなったら、動物を預けられる所はあるのかな?」


⚠️「不妊去勢手術をしないと、どんどん増えていくよね。」

😲「全ての動物の健康管理や食事、排泄の管理は出来るかしら?」






そう、
これらは全て、多頭飼育に伴うリスクになります。


もしも、この全てがクリア出来れば、崩壊に陥る危険性は、限りなく減らせるでしょう。



しかし、現実にはとっても難しいのではないでしょうか😵💦💦










では次に、多頭飼育崩壊はなぜ起こるのか。
そのはじまりを見てみることにします。




路上で命を落とすノラ猫に心をいためた。

寂しさから猫に餌付けを始めた。

家の裏口に来た猫を、おじいちゃんの生まれ変わりだと思った。

ノラ猫に不妊去勢手術をして飼い始めたが、そのうち経済的に困難となり手術費用が出せず猫が増え続けた。



これらは、実際にあった「多頭飼育崩壊」の事例で、多頭飼育に至ったきっかけをヒアリングした内容です…φ(..)



どのきっかけも、人の思いとしては
決して不思議ではありませんね。

そして、初めは適正に飼っていたものの
何らかの理由で経済的に困窮することとなり

飼育崩壊に至るというのも、

誰にでも起こりうる問題ではないでしょうか。



つまり💡

⚠️「多頭飼育崩壊は、動物と暮らす人間にとって、明日は我が身の問題である」ということです。


ですから、飼育崩壊した人を責めるのでは無く「社会で解決する問題」のひとつとして、一人ひとりが向き合うことが大切だと思います😊





ただひとつ例外としては、

多頭飼育崩壊に潜むアニマルホーディング(病的な多頭飼育)があります。
(アニマルホーディングをする人をアニマルホーダーと言います。)


アニマルホーダーは、収集することで満足感を得ており、強迫神経症、依存性、収集癖などの精神疾患がある、と言われています。

アメリカ精神医学会が出版している「精神障害の診断と統計マニュアル第5版(DSM-5)」を見ていくと、アニマルホーデイングは「ホーディング障害」の一種としてみなされていることが分かります。

このような精神疾患が潜んでいる場合には、
、認知行動療法的なアプローチが効果的であるとされているので、積極的に医療に繋ぐことが、必要な対処法になると思います。



こちらは

2018年5月
清川しっぽ村が実際に介入した
多頭飼育崩壊のケースです↓






飼い主さん立ち会いのもと、
市や県の職員の方とも協力して、猫さんたちを慎重に搬送した様子は、ブログでもご報告いたしました。






『にゃンズ』にて新しい飼い主さんのもとへと巣立つのを待つ34頭の猫さんたちは、





ゆっくり ゆっくりと時間をかけて


リラックスした姿も

見せてくれるようになりましたね☺️





一緒に暮らした飼い主さんとは離れ離れになってしまったけれど



今はまた新たな幸せを

手にしてくれたと 思っています。





今まで猫さんたちと共に暮らした
飼い主さんにも

安心していただけると嬉しいです☺️



出会えたこと


ずっと 忘れないよ。







だからきみも 忘れないでね。







最後に

昨年、LUSH池袋駅前店でのチャリティーにお招き頂いた際に、「多頭飼育崩壊」事例としてご紹介したケースをお話したいと思います。



子どもたちが巣立ったあと、伴侶も亡くしたおじさんがいました。
夜、独りでご飯を食べるのが寂しくて寂しくて。。


ある日、戸を開けたら猫が座っていました。


ご飯をあげたら、家に入って来るようになりました。
そのうち、猫は仔猫を連れてくるようになりました。

猫のためのエサ代や手術代などがかさみ、
おじさんは生活保護を受けることに
なりました。

持ち家には住めないため、おじさんは
家を手放さなくてはならなくなりました。



「わたしは、これからどうやって生きていこう、、。猫たちを どうしたらいいのでしょうか、、。」






みなさまは、このお話をお聞きになり、
どんなことを
感じていらっしゃいますか?






わたしは、

もしも
おじさんが猫の不妊去勢手術代には、
助成金があることを知る機会があったなら

お世話しきれない猫に、新しい飼い主さんを探すことを始めるきっかけがあったなら


そして


もしも 「寂しさ」がなかったなら、、。


おじさんは
猫とおじさんのwell-beingを


見つけていたのかもしれない、、

そう思いました。




ともに生きる社会において、
人と犬猫の福祉が守られるためには

動物と人の心と体の健康

適正飼育を守る

地域の実情に合わせた多様な法制度



そして


良好な人と人とのつながり


が 大切だと 感じています。



(LUSHスタッフさん)





犬猫の保護活動を行う清川しっぽ村には、
人と犬猫の福祉が守られるために行動する責任があります。

わたしたちは「飼育崩壊」を未然に防ぐためのアプローチをこれからも続けていきたいと 思います。








清川しっぽ村