神様のカルテ2
(読書メーターに書いた感想)
それぞれが志を持って生きている中で、その志のままに行動できる者、無念にも途中で諦めざるを得ない者、他の大切なもののために割り切らざるを得ない者…各々の人間模様が、美しい信州の景色を背景に繰り広げられる。「医師の話ではない。人間の話をしているのだ」という名言が印象的。個人的には前作よりもこちらのほうが好き。 ★★★★
神様のカルテ2 (小学館文庫)/小学館

¥690
Amazon.co.jp
という感じですが、そこには書ききれなかった、別の視点からの感想を(ネタバレあり)。
本作は、地方病院での慢性的な医師不足を背景に、日々奮闘する医師とその家族の物語を描いた小説。激務の夫を陰でしっかり支え、また力づけてくれる妻(ハル)の姿が印象的で、
本当に良くできた奥さんだな~と思うわけですが、私の心に残ったのは進藤と千夏夫婦の話。
ざっくり説明すると、2人とも医師として第一線で活躍していたが、
子供が生まれ、千夏が1年の育休後に復帰すると、日進月歩の医療の世界での遅れに加え、
過酷な労働環境等からくる焦りや不安がのしかかる。
そんなプレッシャーの中、千夏は体調を崩し、1日だけ休んだ翌日に病み上がりを押して
主治医をしていた子の病室へ出向くと、「患者のために命がけで働くのが医者の務めじゃないか。」とその子の両親から罵倒され、主治医を交代させられることに。
それからというもの、何かに追われるように仕事に没頭し、家にも帰らず、子供の世話も一切しなくなった。
そんな状況のため、夫(進藤)が仕事を切り詰め、子供の世話をしているが、
仕事にもしわ寄せがいき、「育児の片手間で医者が務まると思っているのか」と医局長から言われる。
一方で、昼も夜もなく働き続ける千夏を見てみんなは「立派なお医者様ですね」という…。
とまぁそんなストーリーなんですが、なんかこれってホラーだよな~と。
それも、ものすごくリアルな。
特殊な能力や技術を発揮することが求められ、そして代わりになる人がいないという仕事を持つ者にとって、生活とのバランス、自分自身の心身のバランスを保つのは容易ではなく、何かの拍子に心のタガがはずれて、仕事しか見えなくなるのは、十分ありうる話。
また、一般的に、医師は過度の倫理観や自己犠牲を求められる職業ではある。
しかし、当然のことながら医師にも家庭や生活があるのもまた事実。
医師に限らず、最近の公務員の退職金問題にまつわる駆け込み退職へのバッシングを見ていると、何か共通するうねりを感じます。
責任や志と自分の生活。どちらを取るのか、踏み絵を踏まされるような感じというか。
あえて言うと、今の社会は他人に過度な自己犠牲を求めすぎなんじゃないかな、とさえ思います。大切にするものは人それぞれなのに。
「職業人である前に人間である」、そのことを尊重しあえる社会であってほしいと思いますね。
(自分への戒めも込めて…)
まぁ色々と書きましたが、そんな過酷な状況を描いているにもかかわらず、人間であることを大事にしつつ、日々奮闘する医師たちの姿が心を打つ作品でした。
(読書メーターに書いた感想)
それぞれが志を持って生きている中で、その志のままに行動できる者、無念にも途中で諦めざるを得ない者、他の大切なもののために割り切らざるを得ない者…各々の人間模様が、美しい信州の景色を背景に繰り広げられる。「医師の話ではない。人間の話をしているのだ」という名言が印象的。個人的には前作よりもこちらのほうが好き。 ★★★★
神様のカルテ2 (小学館文庫)/小学館

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という感じですが、そこには書ききれなかった、別の視点からの感想を(ネタバレあり)。
本作は、地方病院での慢性的な医師不足を背景に、日々奮闘する医師とその家族の物語を描いた小説。激務の夫を陰でしっかり支え、また力づけてくれる妻(ハル)の姿が印象的で、
本当に良くできた奥さんだな~と思うわけですが、私の心に残ったのは進藤と千夏夫婦の話。
ざっくり説明すると、2人とも医師として第一線で活躍していたが、
子供が生まれ、千夏が1年の育休後に復帰すると、日進月歩の医療の世界での遅れに加え、
過酷な労働環境等からくる焦りや不安がのしかかる。
そんなプレッシャーの中、千夏は体調を崩し、1日だけ休んだ翌日に病み上がりを押して
主治医をしていた子の病室へ出向くと、「患者のために命がけで働くのが医者の務めじゃないか。」とその子の両親から罵倒され、主治医を交代させられることに。
それからというもの、何かに追われるように仕事に没頭し、家にも帰らず、子供の世話も一切しなくなった。
そんな状況のため、夫(進藤)が仕事を切り詰め、子供の世話をしているが、
仕事にもしわ寄せがいき、「育児の片手間で医者が務まると思っているのか」と医局長から言われる。
一方で、昼も夜もなく働き続ける千夏を見てみんなは「立派なお医者様ですね」という…。
とまぁそんなストーリーなんですが、なんかこれってホラーだよな~と。
それも、ものすごくリアルな。
特殊な能力や技術を発揮することが求められ、そして代わりになる人がいないという仕事を持つ者にとって、生活とのバランス、自分自身の心身のバランスを保つのは容易ではなく、何かの拍子に心のタガがはずれて、仕事しか見えなくなるのは、十分ありうる話。
また、一般的に、医師は過度の倫理観や自己犠牲を求められる職業ではある。
しかし、当然のことながら医師にも家庭や生活があるのもまた事実。
医師に限らず、最近の公務員の退職金問題にまつわる駆け込み退職へのバッシングを見ていると、何か共通するうねりを感じます。
責任や志と自分の生活。どちらを取るのか、踏み絵を踏まされるような感じというか。
あえて言うと、今の社会は他人に過度な自己犠牲を求めすぎなんじゃないかな、とさえ思います。大切にするものは人それぞれなのに。
「職業人である前に人間である」、そのことを尊重しあえる社会であってほしいと思いますね。
(自分への戒めも込めて…)
まぁ色々と書きましたが、そんな過酷な状況を描いているにもかかわらず、人間であることを大事にしつつ、日々奮闘する医師たちの姿が心を打つ作品でした。