ZX6Rに乗ると
毎回、同じところで思考が止まる。
……楽しい
……いや、痛い
……でも、やっぱ楽しい
忙しい。
前傾がきつい。
想像より、ずっときつい。
左前腕が、エンジンかけた瞬間から
もう仕事量オーバー。
何もしてないのに痛い。
走り出したら、ちゃんと痛い。
それなのに。
楽しい。
zx6r
「アナン、考えすぎ」
「伏せて」
「前だけ見よう」
雑。
でも、的確。
左前腕が文句を言う前に
zx6rはアクセルを要求してくる。
で、回す。
風が一気に来る。
音が腹の奥に落ちてくる。
さっきまであった
不安とか、役割とか、正解とか
全部、消える。
zx6r
「ほら」
「今だよ」
……うん、今だ。
結果として
僕は週1で針治療に通っている。
バイクのために
左前腕に針を刺す人生。
冷静に考えると
まあまあ変。
針の先生に
「原因は?」って聞かれて
「バイクです」って答えると
一瞬、空気が止まる。
でも治ったら
また乗る。
zx6r
「当然だよ」
「治したら走る」
「走るために治すんだ」
健康も大事。
効率も大事。
たぶん。
でも
ZX6Rに乗ってる時間だけは
全部、後回しでいい。
痛いけど
楽しい。
楽しいから
また痛くなる。
それでも
また乗りたくなる。
たぶん
これがバイク。
少なくとも
僕とzx6rは
ずっとこの関係で走っていく。
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