【時系列分析】
各ポイントごとでは分かりづらい為、キタサンブラックの“凄さと弱さ”を時系列で説明します。
新馬戦/
・時計は生涯最悪も、その繰り出した上がりは「生涯最高」。
上がり34秒2自体は平凡ですが、テン3F(テンさんハロン/スタートから3F)は38秒0と“スロー”でした。
その差は、3秒8!
マイル戦ならこれくらいの馬はいます(先日の中京2歳S2着馬アドマイヤアルバ等)が、稍重の東京1800mでこのポテンシャルは中々居ません。
3歳500万下/
・“生涯最大着差”を着けたレースです。
降した相手はあの“サトノラーゼン”!
また【走破タイム】を分析すると、計算上、新馬戦からなんと!?
「3秒5」時計短縮しています!
大幅に時計を短縮し、かつ最大着差で、降した相手はサトノラーゼン。
「次元の違い」は既に示されており、次走スプリングSを初重賞ながら征しました。
皐月賞/
・世代屈指のポテンシャルの高さを示した素晴らしいパフォーマンスと、生涯最大の敗退を喫する次走ダービーの伏線となったのがこの皐月賞でした。
テン3F35秒2/レース上がり34秒7のミドルペースで、“超絶タイム”のレース。
自身の上がりを35秒2と「粘りに粘り」卓越した“勝負根性”を魅せつけました!
ダービー/
・皐月賞より0,2秒遅いテン3F35秒4。
この0秒2と云う極僅かな“ズレ”が、「生涯最大の敗退劇」に苛まれる原因となりました。
皐月賞は3番手、ダービーは2番手。
ダービーのレース上がりは、34秒6と皐月賞より0,1秒早い“典型的な差し有利”な流れとなりました。
そこに最も最悪な要因が重なります。
「ダービーレコード」
皐月賞より番手を上げてしまった為、0,2秒遅いハズのラップも、レコードになる程の追込みを喰らえばどんな名馬でも“立ち向かう余力”は残っては居ませんでした。
2冠馬となったドゥラメンテと対象的に、辛酸苦杯を味わった春でした。
セントライト記念/
・平凡な内容となってしまったこのセントライト記念こそ、3冠目を征する“起爆剤”となったレースでした。
菊花賞/
・生涯最高のパフォーマンスはレコード勝ちした天皇賞(春)ですが、生涯“最強”のレースはこの菊花賞です。
テン3Fは奇しくも最大の敗退を味わったダービーと同じ35秒4。
いつもの彼なら「逃げか番手」を走っていたでしょう。
「3冠確実」と言われたメイショウサムソンの様に。
しかしスタート直後、天が味方をした様な“絶好の展開”が訪れます。
「5番手」。
この位置取りこそ、後の素晴らしいレースパフォーマンスの第一手でした。
舞台こそ違えど菊花賞は京都競馬場。
長距離レースとはいえ、上がりが早くなり易く、また、近年の菊花賞は走破タイムも早くなる傾向があります。
“ダービーと同じ”内容なのでした。
この流れを読み切ったキタサンブラックは“英断”をします。
「10番手」。
人気の一角、ましてや菊花賞の大舞台。
普通ならここまで下げれません。
このポジショニングの英断こそ、ダービーとセントライト記念の経験が活かされた瞬間でした。
「ダービー敗退=余力を残す」。
「格下を0,1差しか突き放せなかったセントライト記念=もっと後ろの位置取り」
この二つの教訓と、今まさに走っている菊花賞の流れから、必然的なポジショニングが生まれました。
「ロングスパート」
キタサンブラックの代名詞とも言えるこの武器が更なる起爆剤となり、「中だるみ」となった流れから、最終コーナーで「8番手」へのマクりが発揮されました。
上がり35秒0。
レース上がり35秒4。
「強い馬が勝つ」菊花賞。
最も速くなり、最も運を招き、最も優れたレースをしたキタサンブラックが、「最強」を手にしました。
「勝ってほしいね。
俺の馬だからじゃない。
だってもう、“皆の馬”だから。」
北島三郎オーナーの言葉です。
2017年秋。
“復権”を期する「皆の最強馬」に、分析させて頂いた御礼と、最高のエールを贈りたいと想います。
☆スカルド☆