【競走馬工学分析】特別編

『キタサンブラック』

【全成績】
10-2-3-2
・勝率/ 58%
・連対率/ 70,6%
・複勝率/ 88,2%

【勝利GⅠ】
・菊花賞
・天皇賞(春)
・ジャパンカップ
・大阪杯
・天皇賞(春)

【勝利重賞】
・スプリングS
・セントライト記念
・京都大賞典



先ずは、競走馬が必ず必要とされる“適性”


【馬場別成績】
「軽い馬場」/ 7-0-0-1
「重い馬場」/ 3-2-3-1

・東京や京都は、「軽い馬場」に属します。
中山や阪神は、「重い馬場」に属します。
「軽い馬場」は“時計も上がりも早い”、「重い馬場」は“時計も上がりも遅い”コースの分類です。

この馬場別成績からは、端的な結論が導かれます。

共に着外1回づつ。
ダービーと先日の宝塚記念です。

複勝率で見ると、「軽い馬場」は7回で、「重い馬場」は8回。

これは、「どちらでも良い」と読み取れます。

しかし、勝率を紐解くと、「軽い馬場」は7勝で、「重い馬場」は3勝。

これは、「軽い馬場こそ“真骨頂”!
重い馬場は“取りこぼし”がある」と読み取れます。



次に、競走馬が最も求められる“スピード能力”


【走破タイム成績】
「早い時計」/ 6-1-2-2
「遅い時計」/ 4-1-1-0

・「早い時計/遅い時計」は私の分析結果です。

キタサンブラックは天皇賞(春)をレコード勝ちしている様に卓越されたスピード能力があります。

そのポテンシャル故に、「逃げ」れるのです。

勿論、“操縦性(騎手の指示通りのポジショニング)”と、“柔軟性(指示やイレギュラーな展開への適応)”等の要因もありますが、サイレンススズカダイワスカーレットの様に、“卓越したスピード能力”こそが、「逃げ」になってしまう最大の要因です。

しかし、今回の走破タイム分析に求められるスピードと、競走馬本来の持つスピード能力は“意味が違います”。

「早い時計」では、11戦して6勝、「遅い時計」は6戦して4勝です!

共に“取りこぼし”がある様にどちらでも大差はありませんが、着外2回が“補填要因”として
「やってしまうのは早い時計の方!」
と読み取れます。


上記の【馬場】と【走破タイム】の2点をまとめると、
『得意なのは軽い馬場の方で、どちらかというと遅い時計の方が良い』
となります。

実際に、それぞれの成績を載せます。

「軽い馬場/早い時計」5-0-0-1
「軽い馬場/遅い時計」2-0-0-0
「重い馬場/早い時計」1-1-2-1
「重い馬場/遅い時計」2-1-1-0

この通り、「軽い馬場/遅い時計」が圧倒的です。
次点で、「軽い馬場/早い時計」と「重い馬場/遅い時計」が続きます。
つまり、先日の宝塚記念こそ“苦手な「重い馬場/早い時計」”だったのです。

この一つの区切りの“結論”から、秋の【レース展望】は、「京都大賞典や毎日王冠は勝負になり、オールカマーは微妙」と推測出来ます。

と云っても複勝率88%の凄い馬なので、参考程度の方が宜しいかと思います。


次に、『キタサンブラック』自身と騎手の“凄さ”を別視点から紐解きます。


【上がり成績】

「35秒0以下」※35秒0含む
9-1-0-0
「35秒1以上」※35秒1含む
1-1-3-2

・これは、キタサンブラック自身の上がりです。

もうおわかりですね。
「前で運び、後ろが届かない上がりで抜け切る」素晴らしいレース内容です。

まさに、「テン良し、中良し、終い良し」の“典型”です。

この成績からは、『瞬発力タイプ』と判断出来ます。

事実、11番手の新馬戦と、5-5-10-8番手と“一旦下げてマクりながら”進めた菊花賞は、「差し切って」います。

では、「『瞬発力タイプ』が負けるパターンは?」と考えますと、以下の要因になります。

①上がりが掛かる馬場。
②時計が早過ぎる馬場。
③ハイペースの展開。
④小回りコース。

この①〜④は、キタサンブラックが沈んだり、取りこぼした成績の大きな要因です。

【レース上がりタイム別分析】

「35秒0以下」※35秒0含む
10-2-1-0
「35秒1以上」※35秒1含む
0-0-2-2

・このレース上がりとは、そのレース自体の上がりタイムです。

見ての通りに、瞬発力を求められるレースと、求められないレースとでは成績が全く違います。

上記の「自身の上がり」と「レース上がり」が、共に“35秒0以下”の時には、『瞬発力タイプ』らしく“完璧な成績”を残しています。

更に詳細な分析を試みます。

【上がりタイム別成績】
「33秒台」/ 1-1-0-0
「34秒台」/ 5-0-0-0
「35秒台」/ 3-1-2-0
「36秒台」/ 0-0-1-2

・キタサンブラック自身が計時した上がり別の成績です。

上がり35秒0以下がベストな彼らしく、「34秒台」では5勝 と“完璧な成績”です。
33秒台は完璧な成績ですが、2着と取りこぼしています。
その原因は、「上がり33秒台が最も得意な瞬発力タイプは、“上がり33秒台でこそ能力全開”だから」です。

現役ならヴィクトリアマイルを勝ったアドマイヤリード。
古くは、エイシンフラッシュや、マイナーならマルカシェンク。
現役9歳のヒットザターゲット等がいます。

1800m以下の距離なら上がり33秒台は珍しく無いですが、中距離以上だと“個性が際立って”きます。

33秒台のスペシャリストが相手では仕方が無い結果なのです。

上がり35秒台になると3勝はしていますが、“ムラ”が目立ちます。

36秒以上の上がりでは絶望的な結果です。

この視点からも、キタサンブラックは『瞬発力タイプ』と判明します。


以上の全てをまとめると。

【総合評価】

❶「軽い馬場」の方が良い。
❷「遅い時計」の方が良い。❸「レース上がり」35秒0以下。
❹「自身の上がり」35秒0以下。
❺「テン3F」35秒5〜36秒7。

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