● みんな疲れている その3
前回の記事では、達人YouTuber界隈で現れたちょっと宣伝方法を間違ってしまった方のお話を、空手のマニアックな視点から解説しました。
マニアックな話はマニアックな話なので、空手に馴染みの無い方特に気にすることはなく、問題ないのですが一般的にもちょっとバレそうな部分があるというお話でした。
それは「システマの人が空手の流派の認定出すの?」という問題です。
武術関連の話だと分かりにくいので料理で例えてみましょうか。
ロシア料理店を営む日本人がラーメン屋さんに「日本伝統の和食!」みたいなキャッチフレーズをつけていたらちょっと変だなと思いませんか?
しかもそれでラーメン屋さんの方が「ロシア料理の○○シェフ公認!日本伝統の和食!」として売り出していたら、それはネタとしてもいまいちひねりすぎて面白くないですし、箔をつけているつもりにしては外国に公認してもらった日本のものにどれほどの価値を見出せるのかという点で意味を感じません。
そういった細かい点での粗の多さを考えると、名を売るためのプロモーションにしてももう少し表現を変えるだけで全然印象が変わるのにもったいないなと思ってしまうのです。
元々そうだったように剛柔流の名を使わずに「古流空手」と名乗っていれば「どういった流れなのだろう」とミステリアスな雰囲気も出せたでしょう。
「古式剛柔流」を名乗るにせよ師の名を明らかにし、「私の所にはスポーツ化していない元々の技術がある」というのなら角は立つにせよ自分の流派に誇りを持っているので強い印象を出せるでしょう。
それでも新しい技術を加えていく方針なら「古式」と言わずにまだ「師からの発展の願いを受け継いでいる」というような言い回しの方が誤解を招かなくてよいですが…
ただ、空手に縁がない人の名を挙げて「○○さんに名付けてもらったのでそう名乗ることにしましたへへへ(^^」はダサさの極みになってしまいます…
「元々私は古式の剛柔流を継承していましたが、既に広まっている他の会派の手前名乗りだせずにいました。しかし、別の流儀ではありますがシステマの○○先生との交流の中で自信をつけ、誇りを持ってこの名称で名乗ることに決めました」とか厳かに言ってくれれば相手方の名前も出しつつ、自分の流派への誇りも感じられたでしょう。
これは技術が本物であればあるほどもったいないことだなと思います。
私なんかはその人の名乗る経緯をしゃべっている動画の冒頭でがっかりして見るのをやめてしまいました。
世の中には本物の武術を伝えるところは他にもあるし、出鼻から浅はかさが見えるようでは中身も…と邪推してしまったわけです。
そして、こういった軽いノリでの俗称づけは事の発端であるシステマの先生とアクション俳優の方々だけの問題でもなくなってしまうというところもあります。
また長くなってしまったので続きは次回に回します。