● 大怪獣のあとしまつの感想
いやー見てきました「大怪獣のあとしまつ」
公開前の段階から興味はあったのですが何やら酷評の嵐 、ちょっと警戒しながら見に行きました。
感想
普通に面白かったです。
ただ、まあ確かに見方をミスると駄目なんだろうというか、受け取り手次第な感じは物凄くしました。
せっかくなので、今回は「つまらないという視点だけでは勿体ない!『大怪獣のあとしまつ』の楽しみ方」というテーマで書いていきたいと思います。
最初に断っておきますが、この楽しみ方も数多あるうちの一つでしかないのでそこはご理解ください。
まず、初めに一つ言える事は「この作品はシン・ゴジラではありません」という事ですね。
SNS上の酷評やらレビューの動画も見ましたが、どうやらつまづくポイントの多くはここにあるようです。
SNSで目に入るような酷評は基本極論ばかりなので、この感覚がどれほど大勢を占めているのか分かりませんが、私にはあまりピンと来ない感覚ではありました。
作品のテイストとしては結構パロディ要素も多いので、確かにシン・ゴジラを意識しているような部分も多く見受けられるのですが、それはあくまで一部であってシン・ゴジラを目指したものではありません。
シン・ゴジラの後追いだと思うと確かにつまらないですし、茶化している様に感じるのでしょうが、その観点がまず間違っているということです。
とりあえずこれだけでもだいぶ見え方は変わると思います。
まず偏見を捨てるということが大事ですが、もう一つ、これは絶対必要な要素とは言えない補助的な考え方ですが、「大筋とは関係ない推し要素を見つけておく」という事です。
これは、私の場合は「オダギリジョーさんが出る」というのがそれにあたりました。
映画ファンの中には演技の結果役者を評価するというのではなく、単に役者推しなのはどうかという人もいるでしょうが、まあそんなものは個人の楽しみ方なので自由で良いのです。
私、オダギリジョーさん好きなんですよねえ(笑)
初めて見たのは仮面ライダークウガで、その時はさわやか好青年を演じていましたが、他の映画やドラマ等で全然違った役をしていても何か引き込まれるものがあって好きだったんです。
最初オダギリジョーさんが出る事は知らなかったんですが、ポスターを見て怪しげな風貌の役だと分かったので「これが見れれば良いや」という感じでした。
補助的な要素はあくまで補助的と言うかなんなら「クソ映画かもしれない」という時の予防線程度だと思えば良いと思います。
因みに私は先程この映画を「シン・ゴジラではない」と書きましたが、別の何かに例えようと思うのならもっと最適なものがあります。
それは時効警察です。
大怪獣のあとしまつの監督、脚本を務めた三木聡氏が手掛けたテレビドラマです。
時効(公訴時効)が成立した未解決事件を“趣味で”捜査する総武署時効管理課の警察官・霧山修一朗の活躍を描くコメディミステリードラマです。
刑事ものにも関わらずゆるい雰囲気で終わった事件を解決していく、何か癖になる雰囲気を持つ作品でした。
私は炎上のタイミングで色々な情報が流れてきたので先に監督・脚本が同じだという事を知っていたものの、恐らくその前情報が無くとも見ているうちに何かしらストーリー作りに同じ人が絡んでいることに気付くだろうと思いました。
なので、この作品を見て最初に思った感想は「映画用にシリアス『っぽさ』を入れた怪獣が居る世界線の時効警察」でした。
本当にそんな感じです。
更に言うとこの作品を<霧山修一郎が見た夢>ということにして「っていう夢を見たんですよ」で始まる時効警察本編が想像すると非常に愉快です。
ちょっと変化球ではありますが、これが結構良い健全な楽しみ方だと思います。
そして実は、この作品には物凄くブラックな楽しみ方もあるのです。
ネタバレをした上で見てしまうと面白さが失われてしまうので、今詳しく言うのは控えておきますが、ヒントだけ出しておきましょう。
それはこの作品は「酷評されればされるほど作中の描写の価値が上がる」という現象が起きているという事です。
これは監督の狙いなのか、偶然起きた現象なのかわかりませんがとても興味深いことだと思います。
興味がある方は、酷評でどういったものが多いのかを見てみてください。
そして、作中で1、2を争う品のない描写を探してみてください。
正直世の評論家の寸評やレビューを見る限り、初手でこの見解に至るのは相当正確が悪いと言えるかもしれません(笑)
ただ、この世論まで含めて見ることで得られる面白さは、きっと今だけです。
是非そのブラックな面白味を見つけてみてください。