● 本番ラッシュ三週目の感想
 
 本番ラッシュ三週目!無事終演しました。 
 
 今回の演奏会は母校の管弦楽部が開いたもので、私はお手伝いという立場での参加でした。 
 
 振り返ってみると今回が一番大変さを感じた演奏会だったかもしれません。 
 
 まず最初に油断がありました。 
 
 オーケストラの演奏会は前半に序曲など短めな曲と少し長めの曲、後半に交響曲の様な長い曲を並べるのが比較的一般的です。
 
 そして、だいたいはその後半の曲が一番難しかったりするものなのですが、私は今回の演奏会の後半の曲は2ヶ月ほど前に演奏していたので比較的余裕があると思っていたんですよね。 
 
 しかし、蓋を開けてみると前半の二曲の方が明らかに難しかった(汗) 
 
 それだけならまだ準備すればいいだけの話なのですが、今回は安易に演奏会を詰め込んだ事による事故が起きました。 
 
 特に今月の頭にあった演奏会が私の苦手とするリズムを取るのが難しい曲が多いものだったため、そこに注力していたら母校の演奏会の前半が難しい事に気付くのが大幅に遅れたんですね。 
 
 しかも運悪く母校の合奏でその難しい曲をやる時に限って他の練習が入ったりして、楽器を出してそれらの曲を練習できたのが2、3回という有様でした。 
 
 流石にヤバいとは思いつつ、楽器を出しての練習は本当に出来なかったので、前日は必死にYouTubeで音源を聴きながら譜面を読んで自分がどこでどの音をどう鳴らせば良いのかを必死に確認しました。 
 
 母校でOBとして「現役を助ける」為に参加するのでそこはかなり頑張って前半を仕上げましたが、いざ当日ステリハでまた色々大変でした。 
 
 なんとか前半は形に出来たものの、今度は後半の曲が非常に大変だったのです。 
 
 いや、個人レベルでは問題無いんですが、オーケストラが全然合わなかったんですよね。 
 
 響きの残りやすいホールなのを考慮して指揮の方は余韻の減衰を待ってゆっくり目に振っていたのですが、テンポを決めるパートが焦りなのか指揮で出されるテンポを超えて流れしまっていました。 
 
 それに乗ってしまうとそのままどんどんテンポが速くなってしまうので、許容されるぎりぎりまで待ってから音を鳴らすなどして何とか引っ張ろうとするのですが、どんどん転がっていくので非常に冷や冷やしながら演奏しました。 
 
 やばいなと思いつつここから出来る事も無いのでそのまま本番に突入しました。 
 
 しかし、この本番で学生オケの底力という物を見せつけられた気がします。 
 
 前半はステリハでも結構上手く行っていたのをそのまま上手くやりぬきましたが、より驚かされたのは後半ですね。 
 
 劇的にかみ合ったかと言われればそうではありませんが、明らかにステリハよりも良い形で演奏が出来たのです。 
 
 あわや!という場面が無かったわけではないですが、確実に一番上手く行ったのは本番だと言える演奏でした。 
 
 こういった謎の底力、謎の集中力は学生ならではだなと感じました。 
 
 そして演奏後、現役最後の演奏会である四年生や、それを送り出す後輩たちが涙ぐんでお互いをたたえる姿を見て、こういった類の感動は学生でしか到達しえないものだなと感じました。 
 
 私自身も遠い昔感じていたものだったのでしょう。 
 
 技術的な云々はまた別の話として、一番心動かされる演奏会だったように思えます。 
 
 学生ほどでは無いにせよ、その場に入れた事に感謝しながら次の演奏会に向けて頑張りたいと思いました。