今回はオーケストラのお話です。
先日中々ハイレベルな団体の練習に参加してきました。
そこで演奏する曲目はモーツァルトのレクイエムです。
レクイエムとは簡単に言うとキリスト教の祭儀で歌われる声楽曲です。
カトリックで古くからあるのはグレゴリオ聖歌と呼ばれるものですが、多くの著名な作曲家も曲を付けていて、特に今回取り組むモーツァルトのレクイエムはフォーレ、ヴェルディと並んで三大レクイエムとも呼ばれています。
目的が祭儀の為にあるという事もあってこの曲はやはり格調高く、厳かで、演奏するにもかなりの緊張感が襲ってきます。
因みにその団体の代表にして指揮を振る先生はご自身も声楽で活躍し、オペラのタイトルロール(要するに主役)を張る経験もお持ちの方です。
私自身様々な団体で指揮者を見てきましたが、その方の指揮はまた凄いなと感じる所があります。
どういった意味で凄いかと言うと
指揮から歌が聴こえてくる
指揮という物は中々難しいもので、あんまり拍を出して分かり易くし過ぎても窮屈でぎこちない演奏になりがちです。
しかし、その方の指揮はかなり親切に分かり易く拍を出しているにも関わらず滑らかというか、自然なんですよねえ。
歌と多数の奏者のオーケストラという形ではなく、オーケストラが一つの歌のパートとして機能してアンサンブルが作られる。
そんなイメージです。
オーケストラが主役の場合はもっと奏者が自由かつ他の奏者を聴きながら演奏出来る形にした方が良かったりもするのですが、こと歌の伴奏という点においては一つの完成形と言えると思います。
ただ、問題は私がその指揮について行けるかどうかってところです。
でも先日の練習はコントラバス一人だったんですよねえ…
元々その団体は別のオーケストラでご一緒した同じくコントラバス奏者の方に紹介してもらった形になるのですが、基本が声楽の伴奏を行う団体である事もあり、本来ならば私が参加できるようなレベルでは無いんですよね。
優劣がある訳ではないのですが、オーケストラが主役になる演奏と歌が主役になる演奏だと求められる要素がかなり変わります。
また、私は伴奏的にソロや歌にぴったりと合わせて弾くのはかなり苦手としていて、普通にしていたらその団体から声がかかるなんてことは有り得ないのです。
で、件の私をその団体に誘ってくださった方からは
君は育成要員だ!
と、つまりここで経験を積んでレベルを上げなさいということですね。
実際実力不足で過去二回オペラに参加せてもらった時には中々ボロボロになりました(笑)
今年は折り悪く、それ以前の練習は別団体の本番との被りで参加出来ず、いざ練習初参加という時に誘ってくださった方がお子さんの学校行事で休みというピンポイントの事故が起きたのです。
いやー、めちゃめちゃ緊張しましたね。
まあモーツァルトの時代はチェロとほぼ同じ動きなのでコントラバスは一人であっても落ちてパートが居なくなるという事はほぼ無いんですが、一か所だけ何故かコントラバスが先に入ってチェロが別の動きをする場所があって、しかもそこで自分の演奏が不甲斐なかったのか、他のパートも含めてダメだったのか、指揮の方に「もう少し遅くした方が良い?」と言われてしまい、なんとも言えない感覚はありました…
まあ、初回の練習としては今までのオペラよりもかなり成長したと思います。
残りの練習も少ないですが、気合入れて仕上げます!