今回はあまり人生に役立つ感じではなく、かなりニッチに弦楽器それも擦弦楽器を弾く人にだけ伝わる話になるかもしれません。
何の話かというと湿度とパフォーマンスの関係性についてのお話です。
一般的に日本は、一年の間で湿度の変動がかなり極端になるのでヴァイオリン等ヨーロッパの楽器を弾くのには不利だと言われています。
このあたり、実際のヨーロッパの湿度の変動と比べると日本が極端に酷いわけでは無いという話もあったりするので、真相を知ろうとするとかなりしっかりとした調査が必要になりそうではあります。
そこまでの労力は今無いので、とりあえず上記の一般論に明確な結論は付けられないのですが、あくまで経験則としては、確かに夏場は楽器の鳴りが悪くなるような気もします。
そのあたりをもう少し掘り下げてみると、そういった湿度の影響を感じたのは学生時代で、近年は湿度と言うよりはちゃんと鳴らす練習が出来ていたかによるという感覚もあります。
なぜかと言うと理由は2つあって、一つは湿度の影響が出る環境自体が減ったという事と、シンプルに練習時間が減ったという物があります。
やはり社会人になるとどうしても学生時代よりも練習時間が減ります。
個人練の時間すらまともに取れず、合奏の時に空き時間に必死にさらうというような事すら増えてきてしまいます。
そうすると、流石に社会人オーケストラはエアコンが入る環境でやるのでそこまで湿度が異常に高いという事は無くなるんですね。
そういった環境面での問題が減る代わりに、日頃の練習が減ってしまうため楽器が鳴りにくくなるということはよくあります。
不思議なもので、楽器って悪い鳴らし方を続けたり、ずっと鳴らさずにいると本当に音が悪くなるのです。
弦楽器に関して言えば、弾かなくとも弦で圧力がかかり続けたりすることや、駒や魂柱等の固定されていない部品が、鳴らすことで僅かに動いて座りの良いポイントに動くなんて話もあるので、何やら複合的な要素で分析しづらくはあるもののそういうものなのです。
で、湿度を感じるのが何故学生時代だったかというと、学生時代はそれはもう暇さえあれば楽器を弾いていたので、楽器を弾かない期間が長くて鳴らなくなるということは無かったんですね。
そしてさらに、私が学生の時分は合奏会場なのにエアコンが無いという場所はまだ少しあり、個人練の場所も含めるとまだ、外の環境が比較的演奏環境に影響を与えやすかったんですね。
その時のことを思い出すと、やはり感覚としては、夏場の高温多湿な環境よりも冬の方が音が飛んでいた印象がありました。
しかし、昨日久しぶりに湿度を感じつつ、また学生時代に感じた鳴らなさとは違う感覚の不調の要因を見つけました。
それは涼しいが湿度が高い環境での出来事でした。
令和の気候はやたらと極端なところがあるというか、9月になった途端に雨が振り始め気温がガクッと下がりましたね。
そんな中オーケストラの合奏があったのですが、最初ものすごく調子が悪かったのです。
それは
弓の引っ掛かりが悪い
という形で現れました。
楽器の鳴りも少し落ちていましたが、今回は弓の方が顕著に感じましたね。
これに関して考えて見た要因としては、空調がそれほど良く効かなかったのでは無いかなと言うところですね。
最近の日本の酷暑の中、練習会場の環境を快適に保とうとすると、エアコンの出力を相当上げないと行けないんですね。
そうすると自然と空気の回りも多くなりますし、湿度も一緒に下がる気がするんですよね。
しかし、この9月の様な涼しい環境だと、エアコンをつけるかどうかも少し危うくなりますし、つけても湿度だけ下げるというのも中々難しいため、自然と夏真っ盛りよりは湿度面の管理が甘くなります。
今回はその影響が弓に出たような気がするんですよね。
弓の毛が薄っすら湿っている?そんな感じがしました。
弦との摩擦力を上げるために必要な松脂は既に結構塗られているにもかかわらずです。
本来松脂も油分を含むので水分には強いはずですが、流石にここ最近の気候で湿度にさらされ続けて劣化したのかもしれませんし、塗りムラの部分から毛に何らかの影響があったのかもしれません。
今回は松脂を改めて塗り直すことで再び引っかかりを取り戻せましたが、湿度は弓にも悪いことがわかりました。
まあ、新たな問題が起こりやすいポイントと対処法を見出だせたのは良いことだと思いますので前向きに、次に活かします。