今回はエンタメ回、とある漫画を紹介いたします。

 

 よく私は二次創作だクロスオーバーだと述べていますが、そういった物は基本的に私的な楽しみ方をするものです。

 

 勿論ハリウッド映画でお馴染みアベンジャーズや今年公開のゴジラVSキングコング等の大作もありますが、裏を返せばそういったクロスオーバーは、普通は公式が大々的に力を入れて行うものとも言えます。

 

 しかし、今回紹介する漫画は、ある意味では物凄く大きい事象のクロスオーバーが起きていますが、それを感じさせないゆるさが魅力とも言える作品です。

 

 そのタイトルは

 

 聖☆おにいさん

 

 天界の仕事が一段落してバカンスを取る事になったイエスブッダが立川に降臨してゆるく日常を過ごすというお話です。

 

 立川に、神の子と、目覚めた人が、安アパートにルームシェアをしている。

 

 なかなかどえらい構図ですね(笑)

 

 しかも普段着はGパンに白Tという超絶ラフな格好といのもツボです。

 

 最初は二人の神々しくもゆるい日常を描いていたこの作品も、だんだんとキリストの12使徒が登場したり、ブッダの十大弟子が登場したり、四大天使が登場したり、仏法の守護者の天部が登場したりと規模が大きくなり、果ては神道やギリシャ、北欧神話の神々も出てくる等作風の穏やかさで騙されがちですが実は壮大な作品です。

 

 とは言え、私が抽象化の訓練としておススメしているクロスオーバーとは少し毛色が違う様な気もしなくは無いです。

 

 抽象化するといわゆる信仰対象となるような存在を集めている、という感じではありますが、それぞれがそれぞれの世界観を持ったうえで交流しているイメージですね。

 

 キリスト教にはキリスト教の、仏教には仏教の、他の神話には他の神話の天国や地獄があり、ノリとしてはご近所さんだから仲が良いみたいな感じで話が進むのがとても面白いのです。

 

 お隣さん家の変わったルールみたいな感覚で「君んところそんな習慣があるの!?」みたいな事をやっているのが微笑ましいのです。

 

 そして、この漫画で特にお伝えしたい魅力はしっかりとした知識が前提となって描かれているという事です。

 

 勿論漫画的描写の為に崩されていたり、諸説あるうちのどれかを採用すれば他から見ると間違った解釈になる、というようなことはありますが、それらの仕方ない事を別として考えれば、聖書や仏典にあるエピソードからネタを取ってきたような二人(二柱?)のやり取りは、学びのきっかけとしてもとても良いと思います。

 

 この漫画をより楽しむために元ネタをしっかり学ぶ、というように漫画と学びの相互作用が生まれればかなり良いモチベーションの創出につながるでしょう。

 

 知識が増えると楽しいものです。

 

 まずはきっかけにいかがですか?