前回の記事で、人生のどん底と成功者の関係をロジカルに理解できないと、セルフイメージを著しく下げる事になりかねないという話をしました。
今回は私の実体験に基づき、セルフイメージ低下が起こりやすいポイントと対処方法をお伝えします。
まず最初に陥りがちなポイントと致しましては、どん底を経てからでないと成功できないと言う認識を持ってしまうことです。
前回の記事にも書きましたが、人生のどん底を認識出来る人は、自分自身の過去の状況を客観視出来る状態であり、そういった視点を持つが故に成功しやすいということはあります。
しかし、これはあくまで「可能性が高い」であって、必ずしも人生のどん底を味わう事が成功の絶対条件では無いのです。
自分の信じる道をただがむしゃらに、楽しみながらやっていたら成功者になっていたという人も居るでしょう。
しかし、特に自分の成功までの道のりを説明できるほど理解している人は、無意識にせよ戦略的にせよ、どん底の部分は確実に話題に上がるので、それだけ印象に残りやすいのです。
こういった、「成功者は一度どん底を味わうもの」という認識が形成されてしまった上で、半端に成功者の話を聞いてしまうと何が起こるのか。
「自分は大した絶望も味わった事もない」というようにセルフイメージが成功から遠のく物に侵食されてしまうのです。
例えその先に輝かしい成果が待っていることが分かっていても、自分の持っているものを捨てたり、絶望に飛び込むという判断ができる人間は少ないです。
結果、セルフイメージの低下が起きている状態だと、リスクを取って挑戦するという決断が出来なくなり、さらに挑戦できない自分のセルフイメージが下がり…という負のスパイラルが生まれるのです。
これは私自身実際そうなっている時期がありました。
私をビジネスの世界に呼んでくれた大学時代の先輩、物販ビジネスの主催者の面々、空手の師範
全ての方々が、何かしらの危機的な状態に陥った経験があり、そこで認識が変わったり、成功へのターニングポイントになる出来事が起きているのです。
そうすると、そこまで絶望的な状況に追い込まれたことがないという認識から「まだ自分自身に成功者になる器が出来ていない」というセルフイメージが形成されてしまっていたのです。
さらに言うとこの「自分は追い込まれたことがない」という認識ですが、誰しもかなり簡単に出来上がってしまいます。
何故なら「真にどん底に居る人は、自分自身がどん底であることに気付けない」からです。
どん底に陥っている状態というのは、いわば抽象度が落ちている状態です。
言い換えると、ゴールや周囲の状況と自分の立ち位置が、分かっていないということです。
東京に住んでいる人が、名古屋城に行きたいのに町内の地図しか持っていないような状態です。
周囲と自己、ゴールの位置関係が理解できていない状況で、「今がどん底か、さらに下があるか」を判断するというのが無理な事は分かるでしょう。
そういった抽象度が落ちて、気づかずに自分を見失っている状態の時は、周囲が気付いているのに自分の状況に気付けていないと言うことがよくあります。
私自身、そういった事がありました。
先日、大学時代の先輩と呑みにいった時に、過去の思い出話ををしている中で、先輩がポロッと言ったのです。
「お前はあの時どん底に居たぞ」
と
それは、私が母校のOBオーケストラに在籍していた時の話です。
コントラバスパートには私と、著しくソリの合わない先輩しかおらず、かなりストレスを溜めていました。
そういった状況の時って、多分負のオーラの様な物が出てしまっているというか、自然と発言や行動がネガティブになってしまって、他の人も寄ってこなくなるんですよね。
そうすると助けも求めるに求められなくなってしまうわけで、そのストレスがある時爆発してしまって、周囲に多大な迷惑をかけた事があったんです。
今、ここに書いてみて当時を思い出すと、確かにどん底だったなあと思えるのですが、恐ろしい事に、その当時はそれほどまでに自分がどん底にいるという認識が無かったのです。
まあある意味ではそうなのです。
打ち込める趣味があり、その集まりに参加出来るだけの経済力も一応ある。
これのどこがどん底だという感覚だったのです。
これもまた主観の恐ろしい所で、自分がそういった負の感情でどれほど醜い状態になっていたかを理解できていなかったのです。
このように自分の状況を主観だけで理解するのはかなり難しく、そこにさらにどん底を経験しないといけないという認識を持つことでセルフイメージも下がり、どんどん負の状態に突き進むことになってしまいます。
間違った認識は改めましょう。
そして、常に自分の状態を客観視するよう心がけ、負の感情は捨てるよう努めましょう。