今回は先日の空手の統括稽古後、数人でご飯を食べに行った時のお話から、空手の流派の広がりから根本の形を自分なりに考えてみた事をまとめたものです。。
雑談の中でセイサンの型からナイハンチが生まれた、という話が出て来ました。
ちょっとみんなでワイワイ話しているなかでしたので、それが統括の言葉かどうかは判別がつきにくかったのですが、少なくとも大きな否定の言葉は出ていなかったので、それなりに信憑性のありそうな話です。
実をいうと、私も似たような仮説を結構前の記事で書いていたりしました。
ミーハー知識ばかりの時に感じたことが、思いのほか当たらずとも遠からずかもしれないと思うと鼻が高いです(笑)
過去の記事においては系統の違う流派なのに共通している型、という事で着目しましたが、最近、自分の所属する会派の空手の理解が深まってくるにつれ、「他の所の空手はここに注目した結果変化したのではないか」という感覚が芽生えてきたのです。
例えば那覇手の基本型とされる三戦という型です。
那覇手系の型においては、拳より内側まで肘を締めて、正面から見ると逆ハの字に腕を構える事になります。
これは那覇手のセイサンも最初の構えは同じになっています。
対して私の習ったセイサンは、同じく脇を締めますが拳と拳の距離は近めで、正面から見ると普通のハの字近い形になります。
そして、型稽古とは別に押し合いと呼ばれる稽古も有るのですが、そこで体の骨格を揃えて相手を押そうとする時の身体操作の感覚として肘を内側に絞るイメージを持つという物があります。
肘に着目して、脇の締めが解けてしまわないようにするためのコツなのですが、この意識の先にあるのが三戦の逆ハの字の構えに思えるのです。
他にも立ち方で言えば、私が習ったものはナイハンチ立ち、セイサン立ち、猫足立ちの3つだけですが、他の流派にはもっと多様な立ち方があります。
その中で四股立ち(那覇手系では確認できましたが首里手系は未確認です)という立ち方があるのですが、これはおそらくナイハンチ立ちと同祖の物が、膝を外に張るという感覚と、股関節を大きく開くという感覚に着目した結果生まれたものなのではないかと思われます。
実際にナイハンチ立ちの稽古をしていて、上記のポイントに意識が向きすぎると爪先が平行というポイントが抜け落ちがちです。
空手の修得において習う細かなポイントは、実際はその動きそのものが大事というよりは、ポイントを意識することで最適な動きの要素を満たす事が大事なので、最終的にはポイントを表面上守っていなくても正しい動きという物が出来るようになります。
そういった考えで言えば、ナイハンチ立ちの爪先が平行という要素よりも膝の張りと股関節の開きを重視すれば四股立ちは生まれる気がするのです。
以上は、あくまで私がセイサンを基準に基礎型が生まれて行った、という解釈を元に作り出した考えですが、なかなかありえそうだし、何より個人レベルであれば他の流派の解釈に役立ちます。
ちょっとこの流れで三戦とナイハンチの型がセイサンからどのように派生したか考えてみたいですが、時数的にも十分書いたので続きは又の機会にしたいと思います。