ここ最近ずっと空手やら武術の事ばかり書いていたので、久しぶりのエンタメ回です。 

 

 皆さんは普段漫画を読みますか? 

 

 少年誌、青年誌、週刊、月刊等様々ありますが、ここ10年位でWEB媒体での掲載をする漫画も盛り上がりを見せてきています。 

 

 WEB漫画はその気になればアマチュアでも個人で媒体を持てるという強みもあり、結果として商業誌よりも自由な作風、ペースで展開される作品も多くあります。 

 

 中には本当に一線の商業誌顔負けの魅力を持つ漫画もあるので、もし知らない人は色々探してみる事をお勧めします。 

 

 そんな訳で今回は私がWEB漫画で鮮烈に印象に残っている作品を紹介いたします。 

 

 その漫画のタイトルは 

 

百鬼村 

 

 これも丁度10年ほど前から連載されていたのですが先日長編が完結しましたので一気に全部読むことが出来ます。 

 

 タイトルからも分かる通り、妖怪や怪奇をテーマにした漫画で、出てくる化生の類もなかなかに不気味です。 

 

 ただそれ以上に百鬼村の住人の方が強い(笑) 

 

 ホラーが苦手な人にも安心な様に見えて、深く考えるとやっぱり怖い、そんな一昔前に流行ったラー油のような漫画です。 

 

 舞台はとある県境にある山村。 

 

 古い因習が残る事を除けばどこにでもあるような土地です。 

 

 しかし、その実情は村全体が土地神なのか、怪奇に魅入られ日常と化している村なのです。 

 

 先程語った怪異よりも村人の方が強いというのも、単純に怪異が起きる状況が生活に浸透してしまっているから。 

 

 「蚊が湧くから虫よけをしよう」「台風が来るから強風対策をしよう」その並びに怪異への対処がある感じです。 

 

 起こっている怪異は恐ろしいのに、なぜだか対応が所帯じみている 

 

 そんなちぐはぐな感じがなんだか魅力的なのです。 

 

 村の重鎮たる一族はそれにふさわしいおどろおどろしさを持っていますが、村人にも一癖も二癖もあり、一見モブっぽいキャラもその雰囲気のまま怪異を圧倒したりするので、シリアスなシーンがどこかコミカルになったりしてキャラ立ちしたりします。 

 

 そんな百鬼村でも流石に本腰を入れて対処しないといけない危機が迫って…というのが今回完結した長編の内容でした。 

 

 WEB漫画という事で締め切りに追われずに練りに練ったのか、今回完結した更新は間に年単位での空白がありました。 

 

 また、この作品の強みは怪異が日常と一体化している世界観なので、長編でなくても展開の幅が広いという事です。 

 

 作者の方もそれは見越して活動しているそうなので、今後の展開が楽しみです。 

 

 この作品をホラーと捉えるか、アクションと捉えるか、サスペンスか、はたまたコメディか、様々な要素が詰まっていて楽しいので是非読んでみてください。