前回の記事で空手の稽古が約1ヶ月空いたにも関わらず、想定以上に調子が良かったという話をしました。今回はどうやってブランクを克服したのか、それを抽象化の観点からお伝えします。 

 

 そもそもの話、私が空手を始めたのは今年の7月です。そこから10月いっぱいまでで僅か4ヶ月、しかもなるべくバランスは取れるようにしましたが週一回ペース=月4回はぎりぎり達成できない位の参加ペースでした。 

 

 これがもう少し技術が定着したうえでのお休み期間が出来たという事であれば、得た技術を見つめなおし、癖を抜いてという様にブランクを有意義に使えます。 

 

 しかし、始めて4ヶ月程度のまず技術の定着もままならない状態だとそうもいかないわけですね。とりあえずは教わったことを逃さない様にすることが重要です。 

 

 仕事の空き時間などの僅かな隙間に型の確認をするといったことも続けていましたが、それ以外で「やっておいて良かった」と思える事は、習った身体の使い方を他の場面で活かすようにすることです。 

 

 例えば日常生活においては日常の姿勢を工夫しました。押し合いの稽古や、突きの稽古でよく注意された胸を張る肩を落とすといった事を普段から意識して行動しました。 

 

 私に限らず現代人は結構多いと思うのですが、油断するとすぐ巻き肩といって肩が前方に縮こまり、猫背気味になってしまいます。 

 

 その状態にならない為に日頃から胸を張る意識を持つだけでなく、肩が丸まっている状態と胸を張っている状態を手で触って違いを確認したり、逆に広背筋の様な背中側の筋肉に意識を向けるといった事をしていました。 

 

 この姿勢に関する意識付けは、空手をするしないに関わらず首の凝りが軽減したり、疲れにくくなるのでおススメです。 

 

 参考までに私自身の意識付けの仕方を書いておきます。 

 

 1.意識できる限り胸を張る 

 2.肘を無理のない範囲で後ろ方向に引く 

 3.その状態から肘を90°に曲げ、手のひらを上に向けて後ろに引く 

 4.その状態を維持しながら手だけ元に戻す。 

  3の時には脇はしまった状態で、また意識できる人は肩甲骨を閉じるイメージを持てればなお良しです。 

 
 この姿勢作りをデスクワークで身体が丸まってきたなと思った時にするだけでも中々効果はあると思います。 

 同じように胸を張って肩を下げるという意識は楽器を演奏する時にも強く意識するようにしました。 

 これはほんとに効果的で過去の演奏会関連の記事でも書いたようなパフォーマンスの良さはここから来ているように思えます。 

 さらに言えば楽器を演奏する時は、日常よりも身体を大きく動かすので骨格の繋がりや、手先から動くといったイメージ面も空手で学んだものを活かしました。この辺りは過去の記事にも書きましたが、演奏のたびにその精度が上がっていったように思えます。 

 以上の様に日常生活や他の分野に空手で習った要素を活かすという事、これも抽象化いえます。 

 日常や楽器の演奏で必要な動作と空手で学んだ事から共通の要素を取り出して両方に活かせるゲシュタルトを構築したとも解釈できます。  

 最近特に楽器の演奏と空手という一見して遠い物が抽象化出来たことで一つの気付きがありました。それはさらに多くの経験を抽象化して再構築することでよりオリジナリティあふれたゲシュタルトを構築できるという事です。 

 経験するもの全ての良い要素を抽象化してその時々の行動に活かす事が出来る様になれば常に成長し続ける事が出来ます。 

 まずは今手を付けていることから抽象化して捉える様にしましょう。その応用が常に利くようになれば人生楽しいですよ。