タイトルを見て「演奏会の感想ではないのか?」と思った方も居るかも知れません。大丈夫です(?)この記事は昨日の演奏会の感想記事です。
遂に私が立ち上げから参加している最も思い入れのある楽団にして今年最後の演奏会が終わりました。
偉いもので改めて演奏会の後に振り返ると、過去の記事に書いた内容より詳細にこの演奏会に至るまでの事が思い起こされました。
過去の記事には書いていませんでしたが、よく考えたらかなり大きな問題としてこの団体はちょうど今季指揮者を変えていたという事があります。
立ち上げから5年間は同じ方に指揮を振っていただいていましたが、元々の団のコンセプトとしては「決め打ちではなくその場その場で臨機応変に音楽を作り上げられる団体を作る」というものだったので新しい風を入れるために指揮者を変えていたのです。
新しい指揮者と心機一転で音楽を作る。という上で今年のコロナ禍は相当の向かい風になりました。
兎にも角にもまずコミュニケーションが取りづらい!練習自体が会場の人数制限などで満足に出来なかったという所もありますし、練習が出来ても管楽器以外はマスクをしていて表情も分かりづらい。
そして一番大きかったのが練習後の飲み会が開けないという所だったのかも、と今は思っています。
単純にお酒が好きとかそういった問題ではなく、練習後の飲み会という場は指揮者とオーケストラといった枠組みなく腹を割って近い距離で話が出来る場なのでとても重要な場なのです。
簡単に言えば、例えばメロディーの歌い方で指揮者と奏者に齟齬が生じた時に練習の時の指摘だけは一方的なりがちです。
そんな時に飲み会などでお互いの考えを突き合わせれば、そこで新たな表現が生まれる可能性もあります。
指揮者と奏者だけでなく、奏者同士でもそういったやり取りは重要です。飲み会が出来ない事で生じるコミュニケーションの機会の喪失は想像以上に厳しいものでした。
さらに言えば奏者側も元々人の流動は比較的多い団体であった上に、コロナで実生活が変わって参加できない人も増えてしまった事で意思の疎通がかなり難しい状態になっていたのです。
そういった経緯もあって指揮者の方のやりたいことがきちんと出来ていたかで言えば、正直「もっと言いたいこともあっただろう」とは思ってしまう所もあります。
しかし、昨日の本番は確かに荒削りな所はあったかも知れませんが、奏者同士でも奏者と指揮者でも瞬間瞬間のやり取りが出来て全体としては素晴らしい演奏になったと胸を張って言えます。
集客もソーシャルディスタンスに配慮で最大の人数が減っていたとはいえほぼ完売、またお客様からも上がってくる限りの情報では高評価をいただけたようです。
私自身も色々と当日あるある的な細かいミスはあるものの総じて満足できる演奏ができたと思います。
ただ、一つだけ心残りがあるとすれば…でタイトルの回収になります。
今回の演奏会の曲目、ショスタコーヴィチ交響曲第5番の中にはコントラバスに通常のオーケストラでは使われない信じられない高さの音を要求される場面があります。しかもそこはメロディです。
とはいえ他のパートも弾いているので絶対に弾けなくてはいけないかといえばそこまででは無いのですが、個人的にコントラバスで出来ることは全て出来るようにしたいという願望がある私はそこの練習をしっかりしたわけです。
練習の成果で精度も上がり、前日の練習でもリハーサルでもしっかり音が当たっていました。しかし、いざ本番で何が起きたか。着ていたスーツのジャケットがキツくて一番高い音に手が届かなかったのです。
厳密に言えばなんとか届いたかも知れませんが周りも鳴っていて自分の音が聴きづらい上に手応えがイマイチだったのです。
そのスーツはほかの本番でも着ていたのですが、そこまで高い音域を要求されることが無かったので気付いていなかったのです。
こういった対策を講じればほぼ確実になんとかなったポイントが一番悔しいものです。次の本番までには絶対に良いものを買ってリベンジします。
取り急ぎ本番翌日の感想は以上です。また落ち着いた頃に総括をするかも知れません。お楽しみに。