今回は迫る演奏会の曲目と私が演奏する楽器コントラバスについて新しい知識のアップデートがあったので備忘録を兼ねて皆様にお伝えいたします。 

 

 今回紹介する曲はベートーヴェン作曲交響曲第6番「田園」です。 

 

 とりあえずはまずベートーヴェンについてこの記事で大事になるポイントを上げていこうと思います。 

 

 ベートーヴェン。クラシック音楽にあまりなじみのない方でも名前くらいは聞いた事があるのではないでしょうか?音楽室に気難しそうな顔の肖像画が飾ってあるあの人です。 

 

 「ッジャジャジャジャーン!」でおなじみの通称「運命」と呼ばれる交響曲第5番は有名ですね。フルで聴いたことがある人はとなるとグッと減るのでしょうが少なからず冒頭のフレーズを知らない人はまずいないでしょう。 

 

 因みに今回取り上げる田園もそれとは知らずに聴いている方は多いと思いますがかなり有名です。テレビのBGMで気付けば流れている。そんな曲です。 

 

 

 

 そんな誰でも一度は聴いたことがある様な曲を作り上げたベートーヴェンですが、彼は音楽家としては致命的な難聴に苦しまされていました。 

 

 実は彼の難聴は20代の頃から始まり徐々に進行していたそうです。苦しんだ末にベートーヴェンは一度死を決意したと言われています。 

 

 しかし、その後彼は折れる事無く作曲を続け傑作をいくつも残しています。交響曲第6番は悪化した難聴に苦しみ、遺書すら書いた絶望を乗り越えた後に作曲されました。 

 

 そしてベートーヴェンにはその作曲の手法に大きく影響を与えたコントラバス弾きの友人がいます。その名はドラゴネッティ。現在のコントラバス弾きに知らない人はいないのではないかという巨匠です。 

  

 ドラゴネッティの説明を分かりやすくするために一度コントラバスそのものの歴史について説明しましょう。 

 

 そもそもその時代に現在と同じコントラバスは存在しません。ヴァイオリン族とは別系統のヴィオローネという楽器が改良されていった末に現在の形になっています。 

 

 そのヴィオローネがどういう扱いだったのかというと、ものすごくざっくりいうと低音の補強です。譜面は主にチェロと同じものが用いられ、その中から低音が強くほしい部分を抜き出して1オクターブ低い音で鳴らすことで補強していたのです。 

 

 余談ですがコントラバスには扱いが不遇な時代がありました。正直な所担当する音域の低さもあってあまり正確性は求められず、ブンブン鳴らしてにぎやかしていればとりあえず良し、というような認識です。 

 

    しかし18世紀の終わり頃から楽器の改良の流れとともに名手が現れ始めました。その名手たちの筆頭格ともいえる存在がドラゴネッティだったのです。

 

 1799年ベートーヴェンとドラゴネッティは出会います。そこでドラゴネッティはベートーヴェン作曲のチェロソナタをコントラバスで弾いてみせるのです。

 

 ドラゴネッティの技術に感動したベートーヴェンはその後慣例的に同じ譜面だったチェロとコントラバスのパートを分け、コントラバスにも重要な役割や見せ場を書くようになったのです。

 

 現在ではプロのオーケストラのオーディションにおいてもベートーヴェンの交響曲の抜粋は必ず登場するというほどです。

 

 そしてベートーヴェンの影響で後世の作曲家たちもコントラバスに難題を与えるようになったのです。ドラゴネッティは現代のコントラバス弾きにとって憧れであるとともに難題の元凶とも言える訳ですね(笑)

 

 そしてようやく本題です。今回、私が取り組む田園はベートーヴェン作曲の交響曲の中でも1,2を争う程の重要性と難易度がある曲とされています。

 

 今までは「ドラゴネッティだから出来たのかも知れないけど…」と半ば投げやりな感情もあったのですが、別の観点もありそうな事もあるのです。

 

 とはいえここまででかなり長くなってしまったので一旦次に譲ります。次回お楽しみに!