久しぶりに高校の方の母校に顔を出して後輩の練習を見に行きました。だいたい一月半位ぶりでしょうか。中々目覚ましい進歩を遂げていたのでそのことについて書こうと思います。
まず第一に後輩の何が変わったか、それは音です。最後に練習を見に行った時はあまり力強い音は出せていませんでしたが、はっきりとした芯のある音を出せるようになっていました。
フォームも格段に良くなり、弓先までのコントロールの精度が上がっているようでした。
これには本人の練習の成果は勿論他の影響もあったそうです。
それは色々な人から教わる事私が顔を出さなかった一月半くらいの間に二人、別のOBが練習を見て指導してくれたそうです。
そのOBも私から見ると後輩で練習を見に行っていた事もあった子たちなので、間接的ではありますが彼らの成長も垣間見えて感慨もひとしおでした。
後輩曰く、新入生一人で入部してから現在までで私含めて7人の先輩が練習を見に来てくれたそうです。
まあ昔からコントラバスを卒業してからも続けるような人たちは、自分の苦労も重なるのか妙に後輩の面倒を見るのが好きな所があるのでそこらへんが上手く働いた感がありますね(笑)
いずれにせよ7人の先輩からそれぞれのアドバイスを受けたことで本人の技術の引き出しが増えたようでした。
とはいえ、7人もの先輩に見てもらうとアドバイスのニュアンスも多少違うようで、少し混乱気味な所もあるということだったので、そういった時の良い受け取り方も伝えておきました。
それは同じ技術に関しての指導であっても人それぞれ解釈が変わるという考え方を持った上でアドバイスを受けるということです。
同じ楽器を使っていても人によって体格も違いますし、個人の習熟度によって同じ基礎練習でも注意すべきポイントが変わることは良くあります。
例えばロングトーンで音を出す練習が上手く行かない時に、人によっては力が強すぎることもあれば弱すぎることもあります。弓を動かす速さが速い、遅いといった要素もあります。
当然人それぞれで原因が違うために当人毎に違うアドバイスが入るわけですが、それによって同じ技術でも人それぞれの重視するポイントが出てくるわけです。
例に挙げた事象は簡略化されていますが、実際はもっと色々な要素が絡み合うので一見すると先輩毎に違うことを言っている様に感じるわけですね。
こういった事を理解しておけば単純な言葉だけを受け取るのではなく、その奥の意図を汲み取ることに意識を向けたほうが良いことが分かるようになるので理解が進むはずです。
実はこの考え方は知っている人には抽象化と言ってしまえば通じるんですけどね(笑)
指導された言葉から良い音を出すために必要な要素を取り出してくるということですね。
そもそも私自身こういった指導者による言葉の違いを通して抽象化の技術を身に着けたような所があります。
後輩もいい機会なので部活での演奏経験を通して抽象化の力がつけば良いなと思います。
後輩指導日誌は次は来月辺りかと思います。お楽しみに!