いよいよコロナ禍によって久しく離れていた演奏会の本番です。感慨深い事もありますし、コロナ禍前後でどの様に演奏会の様相が変わったのかを明確に把握するためにも振り返りをしてみたいと思います。 

 

 コロナ禍で人の集まるイベントが開催できなくなる本当に直前の頃に、私は二回演奏会に参加しています。どちらも大学の管弦楽部から派生した団体で片方はオーケストラ、もう片方は弦楽の演奏会でした。 

 

 オーケストラの方が先に本番がありましたが、2月末の祝日の本番の後に弦楽の本番がその週の土曜日という中々普通ではありえないスパンでの開催でした。 

 

 しかし、その一週間に満たない日程の差でも前者は観客を入れての開催、後者は無観客で開催となりました。母体が同じ大学とはいえ主催者は別なので、判断基準が違うという事もありますが、何よりそれほどの勢いで情勢が変化していったという事でもあります。 

 

 弦楽の方は運営に入っていたので、当日観客を入れるか無観客にするかも相当に揉めたというか議論が果てしなかった記憶があります。 

 

 当時はコロナに関する恐怖感も今より重たかったですし、ガイドラインも策定されていなかった訳なので、対策もより慎重にならざるを得なかったという事もあります。 

 

 さらに言えば、元々その演奏会一回のみという事で集められた中で、徐々に第二回も行うかどうかという話も出てきていたので運営陣の中でも「この一回だけを悔いなく」という派閥と「次を見据えて今回はリスクを避ける」という派閥で意見が割れたのでした。 

 

 少し話が逸れましたね。実際それくらいの時期は私が参加した団体以外もそのように「対策を講じて開催」や「無観客でYouTube等で配信」そして「延期または中止」という決断をしていました。 

 

 誤解の無いように述べておきますと、どちらの団も基本的に団員の体調管理や予防策の徹底自体は行えるため練習などの団内の対策は当時からなされていました。 

 

しかしどうしても観客に関しては、事前の体調が優れなければ来場を遠慮して頂くようにお願いは出来ても管理が出来ません。そこの判断の違いが演奏会の開催の可否を分けていたと思います。 

 

 演奏会を開催した方の団も当日はマスクの配布までは出来ないので、事前にマスクの着用のお願いの周知をしたり、消毒液の確保に奔走したりして演奏会を開催しました。 

 

 そして弦楽の方は無観客でYouTubeでの配信を行いました。これがコロナ禍真っただ中に入る直前の、最後の演奏会になります。 

 

その後情勢はより厳しくなり、最初から無観客で録音のみの企画すら開催を見送る程になっていったのでした。 

 

そしてそこから半年以上かけ、様々な団体が試行錯誤を経て遂に演奏会が実施出来る運びになったのです。 

 

幸いな事に私の知る範囲でのオーケストラ界隈でのコロナ感染者は現時点で居ません。 

 

この調子で演奏会も成功させて、アマチュアオーケストラ界隈の再生を目指そうと思います。