せっかく久方ぶりに私が参加する演奏会が近いこともありますし、今回はオーケストラ等の公演を生で観に行った方が良い理由について書いてみようと思います。

 

 皆さんはオーケストラに限らず、演劇やバンドのライブ、お笑いの寄席等の生の公演というものに足を運んだことがありますか?

 

 現在はYou Tubeのような動画共有サービスの発展も有りますし、Blu-rayで鑑賞できる映像の精度も上がってきています。お手軽に様々な動画が見れたり、その気になれば本物さながらの臨場感も味わえる!というような時代になりつつはあります。

 

 しかし、それでもなお自らコンサートホールや劇場などに足を運んで鑑賞することの価値は色褪せずにあると私は考えています。

 

 まず初めに言えるメリットとしては、より自分の好みに合わせた鑑賞が出来ということです。

 

 基本的に録画された映像というものは決まったカメラワークで映されているため、時には見たい部分が映っていないということがままあります。

 

 例えば私なんかで言えばコントラバスを弾いているのもあって、オーケストラの演奏を鑑賞する時はコントラバスに注目したいのですが、悲しいかな担当がベースなだけあって余程目立つ部分でないと映してもらえません。

 

 生でコンサートを聴きに行ったならばカメラワークも何も見たいものは自分で思う存分鑑賞できます。

 

 オーケストラでピンと来ない方は例えばアイドルのコンサートでイメージしてもらっても構いません。推しのアイドルがいてそこに注目したかったらコンサート会場に足を運ぶしか無いでしょう。

 

 他にも何でも当てはめられます。演劇なんかで言えば推しの役者だけでなく場面を理解するために脇役の動きまで把握したい人はいるでしょう。そういった方も生で観に行った方が自分が注目したい所をその通りに見れるのです。

 

 今後の発展でカメラワーク等に関しては多少見たいものに注目できるシステムは出来るかもしれません。しかしそれでも自由度で生の鑑賞を超える物が出てくるのは相当先になるでしょう。

 

 さらに重要な要素は臨場感です。やはりその場にいって出演者のと場を共有することは大きな違いがあります。

 

 特に生の演奏、舞台等は生き物のような物です。同じ譜面での演奏、同じ台本での演技でも全く同じ作品は一つとして生まれません。その瞬間に場を共有した人達だけの特異的な作品を観ることが出来るのです。

 

 更に行ってしまえば本当に生でないと感じ取れないような物もあります。ちょうど今回私が参加する演奏会の曲目に「サン・サーンス交響曲第3番」という曲があります。

 

 これはパイプオルガンを使用する曲です。この楽器はとても広い音域と豊かな倍音が特徴で、その最低音はもはや人間の可聴領域外の音です。しかし、生で演奏を聴くとその振動が身体で味わうことが出来ます。聴こえる音域の音だけでもホールの響きと相まってオーディオやヘッドホン等での完全な再現はまず不可能です。

 

 特にこのパイプオルガンの響きは、人生で一度は聴いておいたほうが良いと思います。感動間違いなしです。

 

 余談ですが、私が普段弾いているコントラバスも音域的に生だとよく聴こえる音が録音の機材によってはカットされて生で聴いているのと録音での印象が変わりやすかったりします…

 

 この様に生での演奏等の公演はそこでしか得られない経験が確実にあります。皆さんも時間に余裕があったら、何でも結構です舞台芸術を観に行って見てください。