恒例の空手稽古備忘録です。本当は先週の稽古はオーケストラの練習が被っていたのですが台風の影響を考慮して遠出は避け、徒歩で向かえる空手の方へ参加できました。
今回の稽古はなぜか参加者がとても多かったので、押し合い等の二人組で行う稽古も色々な方と当たれて幅が広がった気がします。
稽古の初めは新しく来た方も多かったので基本の立ち方と移動からでした。初級者か上級者かは別として、普段行かない稽古会で指導者が変われば、フォーカスするポイントも微妙に違うので新しい視点が養われるのです。
実際に今回の稽古会初参加の黄帯の方も新しい気づきがあったようでした。さらにその方からの質問きっかけで稽古会長も新しい方向の説明をなさっていたので良い流れが出来ていたように思います。
最初はナイハンチ立ちと移動で、その次はセイサンの移動と突きの練習でした。セイサンの突きの練習から二人一組になって実際に突くのではなく突きの軌道で拳のひねりの動作だけで押し出すという事をしました。
私は先週の稽古で、指の皮が少しめくれてしまいっていたので右手では押し込みの練習は出来ませんでしたが、その分立ち方や重心の位置を意識して臨みました。
今回なるほどなと思ったのが先輩から教わったセイサン立ちの後ろ側の足と腰のイメージでした。セイサン立ちは前向きに進む途中の状態と言われる事もあり、前側の足に意識が行き過ぎてどうにも腰の位置が決まらず足から腕までの身体のつながりが崩れていました。
アドバイス通りに後ろ足側の腰と前足側の腰に張りが出来るような角度を意識したらブレる事が無い立ち方になりました。
その後はまた基本稽古の押し合いになりました。立ち方の意識の変化でだいぶ感覚は変わりましたが次は黒帯の方から重心の移動のコツを教わりました。
最初は後ろ側に重心を置いたまま相手と力が釣り合うポイントを探す。釣り合った状態を作ってから重心を前に移動させることで押し出す。という流れです。
自分でもそれは意識しているつもりでしたが、よくよく自分の感覚を精査すると釣り合が出来る前に重心を前に送り始めていたため、実は釣り合った段階でもう余力が無い状態になっていたことに気づきました。
そこを意識するとだいぶ上手く押せるようになりました。姿勢と重心、私が所属する会派で重視されることの本質に近づけたと思います。
その後はあまりやらない夫婦手の押し合いというものを行いました。これは両腕が連動することで押すときの全身の繋がりを意識することが大事だそうです。
強い力を込めているつもりは無いですが、上手く行くときは確かに身体全体に相手がかける力を感じ、それを全身で流して押し返すと自分の身体の一体感も感じます。
普段の片手の押し合いだと手だけ前に進みながら他がついてこないというような失敗は確かに起こりやすいのでこれもまた有効な練習だなという事を実感しました。
その後は三種の受けという物を行いました。これも二人組で行う稽古で互いに左右に動きながら中心で下段、中段、上段の受けでぶつかるという稽古です。
武術としてある以上必ず相手と接触する瞬間はある訳なので、そのぶつかる瞬間そのものと、予測との誤差を確認する等様々な要素を含む練習です。
正直最初は私自身動きを正しくやるのに精いっぱいで他の要素に気を遣う余地がありませんでした(笑)
しかし、丁度組んだ人が初めて三種の受けをやるという事だったので、過去に苦労した所などに注意してゆっくりと動作を確認しながら練習しました。それなりに相手も覚えられたようで役にたてて良かったです。
以上、技量が上の方から教わる事もあり、同じくらいの方と試行錯誤することもあり、私が初級の人にアドバイスをすることも出来ました。これが有意義な稽古ってやつだと思います。今後もこんな稽古が出来るよう頑張ります。