タイトルの印象に反して今回はオーケストラの練習での出来事から着想を得ました(笑)人間意外と追い込まれた時に覚醒するんだなってお話です。 

 

 先日の練習での事です。今回練習に参加したオーケストラは他の団体とのバッティングやビジネス関連の用事等が重なって練習にあまり練習に参加できていませんでした。 

 

 因みに合奏の内容は「過去に演奏したことがあるがほぼ覚えていない曲」と「演奏経験の無い曲」でした。しかも演奏経験の無い曲はドヴォルザークチェロ協奏曲という曲でした。 

 

 いきなり曲名だけ挙げられてもだからどうしたとなりそうなので何が厳しいのかを簡単に解説します。 

 

 協奏曲は物凄く簡単にいうと独奏楽器とオーケストラによる演奏を行う曲です。今回話題に挙げたチェロ協奏曲という事はチェロが独奏楽器として使われているという事です。 

 

 簡単に独奏楽器とオーケストラと言いますが、オーケストラを纏めるのも結構な難易度です。60人位でお互いの音を聴きあいながら合わせる訳ですから。 

 

 それを乗り越えてオーケストラは纏まったという前提で独奏楽器とアンサンブルをするような物なので、協奏曲の難易度は経験の薄い人には相当高いのです。演奏を引き立たせるために独奏楽器の細かな機微にオーケストラが一斉に合わせるといった場面も多いです。 

 

 正直な所、私は今の所の実力としては協奏曲は苦手と言えますし、何より練習が足りていなかったので今回の合奏ではトップの人についていく気満々でした。 

 

 ところがいざ練習会場についてみたらコントラバスが自分一人だったんですね(焦)終わったと思いました。どこを頼れば良いか分からない。 

 

 とはいえ帰るわけにはいきませんし、腹をくくって合奏に挑んだのです。 

 

 結果は…自分の想像以上に演奏について行く事が出来ました。 

 

 勿論完璧とは言えませんでしたが、曲聴きすらあまりできていなかったにも関わらず何とか食らいついて完全に落ちる事はありませんでした。 

 

 一度完全に弾く場所を見失った後に他のパートの雰囲気から復帰出来た時は我ながら「天才か?」と思ってしまったほどです(笑) 

 

 正直ちゃんと知っている曲の合奏の時よりも神経が研ぎ澄まされていましたね。これはある種の火事場の馬鹿力だと思います。 

 

 火事場の馬鹿力というと字面的に筋肉を連想しがちだと思いますが、メカニズムとしては筋肉が限界以上の力を出すというよりは、脳が無意識のうちに全力を出さないようにしているのを解除すると解釈した方が正しいのです。 

 

 つまり主体は脳にある。今回の場合は危機感から普段よりも脳が活性化して周りの音に対する感度が上がったり、曲の流れを把握する力が上がっていたのだと思います。 

 

実を言うとこのようなちょっと追い込まれて必死に演奏している時の方がパフォーマンスが良いというのは結構あるあるな話でよく呑みの席でのネタに挙がります。 

 

 とはいえそれが効くのもそれまでの積み重ねてきた実力が前提にはなります。簡単に言えば自らに落とし込まれている実力を引っ張り出してくる能力が向上するだけで、新しい力が突然出てくるわけでは無いからです。 

 

 要するに何が言いたいのかというと、日頃から実力を上げるための努力を丁寧に積み重ねる事と、「適度」な緊張感に身をさらす事が良いパフォーマンスを生みます。 

 

 人間は本当の火事場でなくともぽんと力が発揮できるんですね。色々な経験を積み重ね、そういった覚醒をコントロールできるようにしましょう。