今回は先日参加したビジネスセミナーでの学びについてのお話です。 

 

 先日PS5の発売日が発表され、予約が開始されると共にAmazonで法外な値段が付いた予約ページが開設されている等といった事が話題になりました。 

 

 実際はキャンセル不可の条件を掲げて予約してしまった人から迷惑料をせしめる詐欺も混じっていますがSNS等では転売による値段の吊り上げとして 話題に上がっていましたね。

 

 ゲーム関連で言えば、2~3年前にNintendo Switchでも同じ様に品薄と転売による値段の吊り上げはかなり大きな規模での問題になっていました。

 

 

 最近で言えばコロナ禍におけるマスクがその事例を説明するのに適切でしょう。一時市場からマスクが枯渇しました。

 

 勿論先行きの不安故の買い溜めも多かったでしょうが、それに便乗して異常な値段でマスクを販売するネットショップは多発し、最終的にYahooショップ等では規制がかけられるようになったのです。

 

 この様な事象から転売という言葉そのものにネガティブなイメージを持つ人も増えているでしょう。そして買い占め転売をする側からは「やっていることは商社と同じで製造と消費者の間を仲介しているだけだ」等という詭弁も出てくるそうです。

 

 正直な所そういった悪質な転売をする人も擁護する人も身近に居ないので本当にそんな詭弁を述べる人がいるのかは定かでは無いですが、架空の詭弁でもネット上に蔓延していることはかなり問題です。

 

 明らかにおかしいと分かっていても、明確な定義として悪質な転売と商社や規模は小さくとも物販業者とは分けて考えたほうが良いです。

 

 それは、ちょっとした消費活動に「これは悪い転売に加担しているのではないか」等といった不要なセルフイメージを下げる思考を防ぐといった事もでもあります。

 

 さらに言えば、今後仮にビジネスに参入するのであれば、定義付けをしっかりしておく癖をつけないと道を踏み外します。

 

 あやふやな物をあやふやなままにしておくと良い物を見逃すばかりか悪いものを受け取って気付かない事があるからです。本質を見なくてはいけません。

 

 そして商売における押さえておかないといけない本質は

 

 普通では買えないものを買えるようにする

 

 という事なのです。例えばセミナーの講師の方はガス会社を例に上げていました。ガス会社も一種の商社です。ただ形式だけに目を取られれば他国からガスを買い、日本で売っている。生産者から消費者の間に挟まっているだけで何かを生み出しているわけではないとも言えるでしょう。

 

 しかし、個人レベルの消費者ではまずそもそも生産者と繋がる事もできないですし、個人消費レベルのロットでの売買もかなり厳しいでしょう。そこでガス会社が仲立ちして生産者から一括してガスを買い上げ消費者に分配するのです。

 

 この様な大きな規模の話だけではありません。よく転売と対比されるせどりは厳密に言えば古本関連の用語なのですが、市場に埋もれた商品を買取ってAmazonやYahooのプラットフォームを使ってネットショップ経由で販売するという行為も目のつきやすい場所に販売場所を変えた結果売れるのであれば正しい販売の定義に則っています。

 

 極端な例を上げれば片田舎の老夫婦が営む手芸品のお土産屋があって店側がWEBによる出品をする気がないが地方の人が欲しいと言った場合、近くに住むネットショップ経営者がそのお土産屋さんからいくつか買って自分のネットショップで売ったとしましょう。これは一種の転売ですが買い手が付くのならそれは買えない人に対して仲立ちをしたという事で真っ当な販売でしょう。

 

 この様に、上っ面の形式だけに囚われてしまうと真っ当な販売行為と悪質な物の区別がつかなくなります。

 

 ではどういった物が悪質なのかそれは

 

 本来普通に買える物を買い占めて正当な販売を妨害する事

 

 です。

 

 PS5にしろマスクにしろ本来なら問題なく買い手の手に届く物を買い占めによって妨害している訳ですね。大事なのはこの定義付けです。

 

 真っ当な販売と悪質な販売の定義を理解すると必ずしも形式で分類は出来ないことが分かります。

 

 先程例に挙げた老夫婦のお土産屋さんと近所のネットショップ経営者の関係も、仮にネットショップ側が買い占めを起こして、店頭まで買いに来たお客さんの分すら無くしてしまっていたらそれは悪質な物なのです。

 

 買う側にしても、ビジネスとして売る側に回った時も、その販売に関しての本質をきちんと見極めましょう。

 

 それを見極めた上で色々な形式の販売に触れていくことで本質を見抜く力を養うことにも繋がります。ぜひやってみてください。