今回は何かを教えるというテーマについて、自分自身に落とし込まれている技術を相手に伝える場合に陥りがちなポイントとその対策の紹介です。
自分自身が教師や指導者の立場でなくとも、何かしらのコミュニティに所属していればどこかで誰かに物を教える機会はやってきます。
社会人であれば 新入社員全員への研修をする機会は無くともOJTの様に実践の中で仕事を教える機会はあるでしょう。学生でもバイト等で同じ様に仕事を教える事もあれば、部活動等で後輩に教える機会があるはずです。
そんな時に困るのが「感覚で理解していること」を教える時だと思います。自分自身でも明確な基準を言語化できていない物をどの様に説明するのか、そこが問題です。
人によって様々なノウハウがあるかもしれませんが、私自身が考える方策はかなり単純です。それは教え方に詰まったときは、その時点で認識しているよりも少しだけ実力を超えた課題を与えてみるということです。
具体例を挙げて説明しましょう。先日母校の後輩に楽器を教えに行った時の事です。そこで私は教え方が慎重になりすぎていた事に気付きました。
度々記事にも書いていますが、状況としては初心者から楽器をはじめ、かつ現役の先輩もおらず、練習時間も私が高校生の頃よりも遥かに少なくなっている。そういう状況です。
私自身もかなり初心者の頃は苦労したので今の状況に合わせて色々と教え方を工夫しようと息巻いていたのですが、そこで落とし穴にはまっていました。
簡単にいうと「今の実力ではこの練習はまだ時期尚早か」と足踏みを踏ませてしまっていたんですね。
例えば正しい音程を取りたいとき、初心者は大体にして左手の力が弱くしっかりと押さえられずに音程が定まりません。それが最初の壁になるわけです。
一番初めはハーフポジション、またはファーストポジションという基本の場所を覚えその後にほかのポジションをと広げていくのがセオリーなのですが、まだ一つのポジションも安定しないのでそこばかりに注意がそれてしまっていたのです。
その練習を見に行った日は、自分の練習もあったため途中抜けをするということで、短い時間に重要なことを詰め込もうという思いから、私が大学の時に師事したコントラバスの先生から習った複数のポジションを覚えるための基礎練習を教えたのです。
私がその基礎練を習った時は既に弦を押さえるのに苦労はしない状態にまでなっていたので正直その練習はまだ早いかなと思っていました。
しかし、その基礎練を教えたところ、確かにすぐに全ては出来るようにならなかったのですが、今まで上手く行っていなかった部分の課題を後輩本人が理解して修正し始めたのです。
私自身もそこで後輩が出来るようになった部分とまだできない部分が明確に見えました。そこでその基礎練を全てやるのではなく、どこを重点的に行うかの課題を出すことができました。
具体例が長くなってしまいましたが内容をまとめます。
初めに何に詰まっていたかそれは
慎重になりすぎて練習内容を細かく砕きすぎていた
ということです。特に今では簡単に出来るが習得に苦労した技術に関してはこういったことが起きやすいかと思います。
苦労した印象が強いほどより分かりやすくしようと細かい分析をするためです。そのまま細かい要素を一つ一つハードルにしてしまうと少し詰まるとすぐ止まってしまいます。
そうならないための対策が最初のほうで述べた
まず一度実力以上の課題をやらせてみる
ということです。それもある程度すぐに助けられる距離を保ちながら一度自力でやってもらうことが大事です。
今回挙げた例もそうですが、そもそも最初の実力の認識が間違っていて想像以上に先に進める事もあります。
もしそこで進めなくなったら、その時に課題を見出して一段階かみ砕いた事を教えるという順番でも充分スピード感を減衰させずに進められるはずです。
以上が私なりに学んだ人に物事を教える事の一つの考え方です。この他にもなにかを指導することは内容や状況次第で何が最適かが変わってきます。
状況に応じた指導法の一つとして持っておいてお役立てください。