久しぶりの書籍レビューです。今回のテーマは話し方。地味に過去の記事と繋がっています。同じ様な内容も有るのですが、微妙に違った切り口にもなっており、むしろ理解を深める為に比べながら呼んでみるとより良いと思われます。

 

 

人を動かす「超」話し方トレーニング

〜劇的な成果が手に入る会話術〜

 

・全体のテーマ

 

 この書籍は話す事に関して多くの人が認識できていない話し方の種類や、誤解している事について、さらにはただ話すことだけではなく話をする際の環境や話す事で向かうゴールについてまで書かれています。

 

 簡単に言えばこれもまた苫米地式コーチングの一側面という事ですね。

 

 書き方トレーニングの方にもある論理の構築の仕方についても書かれています。違いを述べるならば、書き方に関しては途中で誤解を招かない構築方法が主軸でした。

 

 この書籍では議論におけるやりとりも話し方の範疇なので、相互にどう受け取り、どう発信するかといったことまで含めた内容になっています。

 

 

・概要

 

 構成は序章から第三章までの全四章となっています。初めに話す前段階としてなんのために話すのか話し方の種類についての解説があります。

 

 なんのために話すのかに関しては、余りにも身近に有りすぎて見落としがちな言葉とは何かについての解説があります。

 

 話し方の種類に関しては、書き方の方にあった文芸作品とそれ以外の文章に近い分類で情動的話し方と論理的な話し方について述べています。

 

 そしてこの話し方は本来相反するもので、ビジネスの場面か家族や友人と話している場面かで使い分けなければいけないのですが、多くの人はまずその分類から認識出来ておらず、両者が混在した状態で話してしまっているという問題提起がなされています。

 

 そして第一章では論理的な話し方について、論理の構築法だけではなくそのトレーニング法を述べています。

 

 第二章では情動的な話し方に関して、その効果が適切に発揮される場面の解説と、状況の大切さ、作り方などについて纏められています。

 

 第三章は論理的な話し方と情動的な話し方を適切にコントロールするための方策とトレーニング法、そしてコントロールを失いがちな情動を制御するためのマインドセットについて記されています。

 

・私なりの要点

 

①論理の構築と反論のトレーニングは自分でテーマを決めてたくさん行う

 

 初っ端から内容についてではなく書籍の利用方法になってしまっていますが、これはかなり重要です。

 

 実際短いレビュー記事で論理の構築方法を解説するのはかなり無理があります。とにかく実際に目を通してまずは読む、そしてトレーニングを実行してまた読み返す。そうすることによって論理の構築法を自らに落とし込んでいく事が重要です。

 

②言葉は一義的なようでいて想像以上に意味に多様性がある

 

 これは第二章についての事です。言霊の記事で言葉は物事の定義付けを行うのに使うとかきました。しかしきちんと状況等を限定しないと如何様にでも解釈されてしまいます。

 

 例えば誰かが誰かに「バカ」と言った時を考えてみてください。そこだけ取り出すと罵倒で言った方の印象があまり良くないですが、仲の良い間柄で冗談を言い合っている場合はある種の信頼関係を感じ取ることも出来ます。

 

 どうしようもないほど悪いことをされた結果出た言葉なら、印象が悪いのは言われた方になるでしょう。

 

 この様にただ単語やその並びだけでなく、状況までコントロールしていないと情動的な話し方は効果を発揮しないということです。

 

③抽象度を上げ、ゴール設定を明確にする

 

 第三章は論理的な話し方をするべきか、情動的な話し方をするべきか、その選択や状況作りを適切に行う為に必要なことです。

 

 抽象度を上げると言うことは簡単に言えば視野を高く持つということです。行き当りばったりに話し方を変えるのではなく、適切に状況を判断する。そして自分本位ではなく相手のためになるゴールを明確に持つことで理解してもらいやすい状況を作ることが出来るのです。

 

・終わりに

 

 この本を読み終わると話す事というのは小手先のテクニックではなく、何を伝えたいかが大事で、そしてそれをどの様な手段で相手に受け取ってもらうかということを考えないといけないと分かります。

 

 まずは何かを語れるだけの人としての深さを持ちましょう。そしてそれを必要な時に適切に発揮できるようぜひ話し方を訓練してみてください。