明日時間があるので高校の部活の練習を見に行きます。 

 

 昨日の記事では無いですが、教える立場の大切さを再度心に刻んで自分自身の大切にしている所をしっかり体系付けて行きたいなと考えています。 

 

 さて、今度の練習の時に演奏する曲はドヴォルザークの交響曲第9番、「新世界より」という副題で親しまれている曲です。 

 

 コントラバスの難易度としては…正直なんとも言えないです(笑)というか改めて譜面をまじまじと眺めると、注意すべきポイントの内容がそれぞれ大きく違いすぎて、初心者に教えようと思うとどこから手を付けていけば良いか分からないんですね。 

 

 まず大きく分けて楽器を鳴らす練習が必要な部分と音楽的に自分がどこに居るか把握する練習が必要な部分が有ります。 

 

 楽器を鳴らす練習に関しては、もう少し細かく分けると「左手で正しい場所を押さえる(音程)」「右手で音を出す(音量と表現)」が出てきます。 

 

 音楽的に自分がどこに居るか把握する練習は、「テンポ」「リズム」「どのパートと一緒に弾いているか」「どのパートから受け取りどのパートに渡すのか」等が出てきます。 

 

 一曲演奏するためには、最低でもこれらを全て網羅しないと流れていかないのです。これがとてつもない混乱を招きます。私もかつてそうでしたし、今も難しい曲では陥ります 

  

 楽器を鳴らすだけでもなかなか大変です。コントラバスに関して言えば、弦を押さえるのにもかなり力が必要なのでそれだけでも最初は一苦労です。 

 

 その上で今押さえている場所は正しいのか、次に押さえる場所はどこかを考えなくてはいけません。そこからさらに右手で音量と表現です。 

 

 右手ではどのくらい力を入れるのか、どれくらいの速さで弓を動かすのか、弓と弦の接触点は上側か下側か、弓の角度は、等ある中で左手と同時進行で動かさなくては楽器を鳴らせません。 

 

 そこからさらに音楽的な事となるともうてんやわんやです。自分のペースとは関係なく音楽は進んでいきますから、「左手はどこだっけ?右手は?」等と考えている間にどんどん先に進んでしまうのです。 

 

 鳴らし方を考えているうちに自分の場所を見失ってしまうともう後は頭が真っ白になってしまいます。最低限楽器を鳴らすことが左手と右手と~のようにバラバラではなく一つのゲシュタルトになっていないと太刀打ちが出来ないのです。 

 

 本来の流れであれば、楽器の鳴らし方を基礎練の徹底で身体に染み込ませてから楽曲に臨むのが好ましいのですが、学生オーケストラの宿命か発表までの期間や初心者、経験者入り乱れる状況においては正しいステップを踏めません。とにかく曲を弾かなくてはいけないのです。 

 

 さて話が最初の方に戻ってこの「新世界より」の難易度が何とも言えないのが、この曲を分析してみた時に「鳴らし方が難しい」ところと、「音楽的な位置の把握」が難しいところのバランスが様々なんですね。 

 

 「ここは鳴らすのは簡単だけど間違いなく入るのが難しい」であったり「ここは聴きなじみがあるから入りは困らないけど動きが難しい」といった具合で初心者にどこから手を付けさせるかの判断が厳しいのです。 

 

 最終的に、練習は見に行けないなりに自分が大切にしてきた要素を踏まえてのアドバイスとして、今回は事前に「冒頭をプロ並みの音量で弾く」という目標を設定しました。 

 

 私がコントラバスを弾くうえで最も大切にしている感覚を決めるなら、力強く楽器を鳴らすことです。 

 

幸い「新世界より」の4楽章冒頭は左手に難しい動きは無いのでまずは左手をしっかり押さえながら右手を大きな音を鳴らすことをとっかかりにしていこうと思います。 

 

簡単なアドバイスですが、どのように後輩が積み重ねるのか、確認するのが楽しみです。