毎週恒例の空手の稽古備忘録と学びの記事です。

 

 今週は訳合って稽古会の指導者が一時間程遅れることになったため、最初は上級者の方々で相談しながらの自主稽古になりました。

 

 人数がそこそこ居たので2人組になって押し合いと背中の鍛えという練習から始まりました。

 

 押し合いはその名の通り2人で手刀を作った状態で手を合わせ押し合うというものです。相手との力の関係を感じながら、自分が強く力を出せる態勢や重心の位置をコントロールするのが目的です。

 

 この稽古で今回面白いなと感じたのが、試行錯誤感です。普段は指導者からの正しいやり方の説明があって始まるわけですが、それが無かった事で比較的それぞれが思い思いのポイントから自分なりの工夫で押し合いをしていたのが印象的でした。

 

 押し合いというものは最終的には組み手以外で互いの技量を測るのに最適な方法とも言える個々の工夫が必要になるレベルの物なので、本来は確かな基本が必要とはいえ、この様な出たとこ勝負じみた状態もたまには良いかなと思います。

 

 次の背中の鍛えはある程度分かりやすく形が決まっているので皆が比較的基礎に則った形で出来ていたと思います。その中でまた上級者には上級者、私のような日が浅い者にはそれなりの見えてくる物があるのでそれをフィードバックするのは有意義でした。

 

 自主稽古とはいえそれはそれで、上級者の方は指導する観点で自分の技術を見つめる機会になりましたし、初級者も自発的思考は普段より強くなっていたと思います。

 

 その後先生が到着し、改めて稽古が始まりました。自主稽古中の押し合いに関して新たなポイントを教えてもらい、改めて少し押し合いの確認を行いました。

 

 そのポイントとは相手との接点を動かそうとしないこと。特に身長差がある状態で手を合わせた場合は、低い方が理想のポジションより上の位置で相手と接することになりがちです。

 

 その中で自分に有利な位置に手を動かす時に、相手との接点を動かそうとすると相手にも対抗されてしまうため、接点の圧を変えないように肩や足の重心を動かして自分の有利なポジションに持っていくという事です。

 

 さらに余裕があれば意識する事として、動きの中で勝負し続けるというものも有りました。押し合いの場合で言えば、相手との押し合う力が釣り合った瞬間=止まっている状態はある意味で勝負が終わった状態なのだそうです。

 

 例えば先に挙げた例の高い位置から自分の力を出しやすい位置にポジションを変えた時に止まるとまたそこで膠着状態が生まれるている訳です。

 

 その膠着状態を作らずに常に動きの中で自分に有利な状態を作り続ける事が大事だということでした。

 

 最初の自主稽古の試行錯誤に加え高い視点からの指導を受けた事によってかなり得るものが多かったと思います。

 

 さて、また備忘録部分が長くなってしまいましたが今回の稽古で空手以外でも大切な事だなと思ったことは

 

 目的意識を持つこと

 

 だなと思いました。それは常々稽古会の指導者も言っていますが今回は一歩進んだ事も仰っていました。

 

 目的は間違っていても別に問題ない、その場合もちゃんと突き詰めれば間違いであることに気が付くから、大事なのは意味を自分で見出して突き詰めること

 

 だそうです。例えば先の押し合いの稽古なら目的は身体操作を覚えることでもただ押し合いに勝つことでも突き詰めれば間違い有りません。

 

 また違う言い方をすると、押し合いに勝つための自分なりの方法を見つけてそれを磨いて行ったとして、その方法が間違いだったとしてもどこかで気づくし、その過程を真剣に取り組んでいれば間違いだったとしても何故間違うのかという形の知識で後に役立つという事です。

 

 最初から正解を求めようとするのではなく、思考を止めないで目的を必ず設定する。この考えを持ちましょう。