毎週恒例空手の稽古備忘録です。

 

 実は今週は通常の稽古の他に師範による空手の身体操作法を生かした護身術のセミナーがあり、その関係で地方の支部の方がついでとばかりに参加して下さいました。

 

 他支部では稽古を任される様な立場の方々がいらした事もあり、新しい切り口からの指導や、黒帯同士の意見交換を横で聞くことも出来てとても為になりました。

 

 練習の最初はいつも通り基本の立ち方であるナイハンチとその移動からでした。足を広めにとる立ち方で慣れないうちはかなりキツイです。

 

 武術的に効率的な身体操作方法は身についてしまえばその方が楽である事が分かるのですが、日常生活ではそこまで洗練した動作を求められることもないので訓練せずに身に付くという事は余程のセンスがない限り不可能です。

 

 本来ならナイハンチ立ちも正しく立てれば太ももの後ろ側で支えられる様になる筈なのですが、まだ太ももの前面の筋肉が痛くなります。

 

 昔の空手家は立ち方だけで三年かけたそうなので長い目で見てじっくり向き合わなくては行けません。

 

 次はセイサンという立ち方で突きと移動の練習をしました。先に紹介したナイハンチ立ちは足を横に広げる立ち方なのですが、セイサン立ちはナイハンチ立ちの変形とも言えます。

 

 体を半身に保ちつつ相手と正対している様にカモフラージュしているとも言われる立ち方なのですが、まだまだ理論が先行してしまってしっくりくる立ち方が見付かりません。今後の課題です。

 

 その次は押し合いの稽古でした。

 

 押し合いは初心者のうちは重心の移動を意識、レベルが上がってくるにつれて体捌きや相手との力のバランスをとるといったテクニックを意識します。

 

 さらに言えば力に任せて手押しにならず、骨格を繋げる、大きな筋肉を使うという様にするのがその他の技法にも繋がる要点なのですが、中々これが難しいです。

 

 頭では理解できていても感覚として落とし込む事ができず、何処かで手が曲がってたわみが出来て腕の一部だけの力になってしまいます。

 

 この感覚は人によって捉え方が様々で、ペアになっている人同士で感覚のフィードバックを取りながら精度を上げていく他なさそうです。

 

 その後は背中の鍛え。これも基本である骨格を揃えるための訓練法です。

 

 大きな筋肉である広背筋と両腕を繋げるのが目的です。これも腕の力に頼ると途端に脇が開き、体の感覚がバラけてくるので注意が必要でした。

 

 最後に基礎の型であるナイハンチを行いました。また新たな注意ポイントを教わり、普段とは違った感覚で出来ました。

 

 さて今回は練習備忘録が大分長くなりましたが、今回の稽古で感じたポイントは

 

 新しい視点の大切さです

 

 日頃このブログでは視点を変えることの重要性を書いていますが今回の稽古でその実感をまた感じる事が出来ました。

 

 普段稽古してくださる先生も色々な切り口の説明をしてくださるのですが、また近い格の方々からの意見が入る事で先生の指導もアップデートされている様でした。

 

 そして他の稽古会の先生方も様々な角度から技術と向き合い考察している事が分かり、やはり実力者の共通点はそういう事なのだなあと思いました。