今私が参加している空手の稽古会は中々珍しい事にちゃんこ屋と併設されたスペースで活動していて、稽古の後は参加希望者でちゃんこをつつきます。

 

 今回はそのちゃんこ会での雑談の中で出てきたちょっと面白い話です。

 

 皆さんはカブトムシと言われたらどんなフォルムを想像しますか?ヘラクレスオオカブトの形、コーカサスオオカブトの形、ゾウカブトの形…様々あると思いますが普通はいわゆる日本のカブトムシの形を思い浮かべるのではないでしょうか。

 

 少なくとも和名は日本のカブトムシが中心となっている訳ですから、あの形が基準と思うのが一般的な感覚なのではないでしょうか。

 

 正直な所、私はあのフォルムが完全に自分の中に刷り込まれてしまっている為、他の国だと違うカブトムシが連想されるのでしょうがそれがあまりピンと来ないレベルです。

 

 もう既に文化的なフィルターがかかってしまっている為気づきませんでしたが、日本のカブトムシの形は果たしてシンプルな基準なのでしょうか?

 

 実は先日Twitterで昆虫や虫全般に特化して呟いている方のコメントに興味深いものを見つけたんです。

 

 世界中のカブトムシを総合して見ると日本のカブトムシはむしろ独特

 

 胸角(上の角)が退化的で短く、頭角(下の角)が先端だけ謎の発達を遂げているというのは類を見ないそうです。

 

 言われて見ると確かに不思議な形だなという事が分かります。先ほど例に挙げたヘラクレスオオカブトは日本のカブトムシでいう短い方の角がよく発達していて相手を挟んでぶん投げます。

 

 コーカサスオオカブトは胸部の左右端からですがこれもかなり発達した角が伸びています。

 

 対して日本のカブトムシは胸角は非常に短いながらも先端が二股に分かれ、頭角は充分に発達していてさらに先端が二股に分かれさらにその先端も二股に分かれています。

 

 お時間あればネットで調べて見れば分かりますが意外と日本のカブトムシがシンプルで無いことが分かります。

 

 さて、なぜ日本のカブトムシが特殊な形に至ったのか、確たる理由は専門家ではない私には分かりません。

 

 しかし、なんとなくその形が何に有利に働きそうかは分かるかなと思います。

 

 先程から例に挙げているヘラクレス等は水平に伸びた枝上での勝負が多い為、掴んで投げ飛ばす必要があるのですが、日本は縦の状態で戦う事も多く掴まなくてもテコの原理で浮かせて投げれば直ぐに落ちて距離を置くことが出来ます。

 

 その為、下の角だけ発達して上の角は逆に引っかからないように退化したのではないかと思っています。また、先端の枝分かれは挟まなくなった分の引っ掛ける事への特化ではないかとも思います。

 

 このように、生息環境が違えば求められる能力も変わり、それに合わせた違う進化が起こるのではないかと仮説を私は持っていますがこれはあながち間違っていないのではないかと思います。

 

 そして、この法則は割と現代社会にも当てはまるのではないかなとも考えています。

 

 自らが所属するコミュニティによって求められる能力は様々です。そこに属し続けることで得られる能力もあるでしょう。

 

 また反対に自分が持っている能力を活かせる場所に行くのも有意義でしょう。

 

 どちらかに優劣はなく、選ぶのは自分次第です。しかしまず現状がどちらか考えるのは良いことだと思うので、暇な時にでも考えてみてください。