先週の土曜日も空手の稽古に参加しました。そこの道場はちゃんこ屋と併設されていて、稽古の後に毎回懇親会を兼ねて希望者でちゃんこをつつきます。
今回は空手の稽古で学んだ事の備忘録と、それだけでは空手をやっていない人にはつまらないと思うので稽古後の雑談で感じた学ぶ姿勢に関する事をお伝えします。
私が今通っている会派の基礎事項は重心の扱いを学ぶ事と余計な力をかけないと言うことです。
立ち方、移動の仕方で身体の重心を感じ、コントロールをすることを学び、押し合いや捕り手等の稽古で重心の相手への作用のフィードバックを取ります。
また、力みが有ると重心や力の移動が力んだ部分で止まってしまいます。しかし、体感としては力んだほうが手応えの面で力強いと感じやすいのでその勘違いを解く事も大事です。
この力みの解消法としてなかなか面白いなと思ったのは初心者の段階で肩や腰回りに力みが出来てしまう人への最初のアドバイスが「拳を思いっきり握れ」なのです。
「力んじゃいけないんじゃなかったのかよ!」と思うでしょうが意外とこれが有効だったりします。
1つ大事なのは、型や突きなどの動きは丁寧に行うという事です。正しい軌道で動いく前提で拳に力を集中するイメージで握れば自然と肩や腰の余分な力は抜けます。
肩に力を入れる余裕があるならその分まで握る力に回すという感覚でやると効果が出やすいです。なんとも古流らしいアプローチだと思いました。
余談ですが今の格闘技スポーツ界隈で主流なのは余分な力をかけない事で脱力が大事という話は割とどこでも聞くと思います。
しかし、私は昭和の初期に出版された空手の本の復刻版等も読んだことが有るのですがそこには脱力よりも「思いっきり」とか「力いっぱい」といった単語の方が多く見受けられます。
勿論本では伝わりきらないように隠したという側面も有るのでしょうが、実際に私が受けたアドバイスのように、余計な所に意識が回らないようにする意味合いも多分にあったのだろうという風に思いました。
重心の移動について…これは中々まだ自分の中で消化しきれてはいません。流石に独学の頃よりも理解が進んだとは言えまだまだ時間がかかりそうです。
稽古が終わり、希望者が稽古場隣のちゃんこ屋で食事をすることになりました。
雑談を交えながらも稽古を受ける上での心構えや自分の中で空手をどう捉えるか等の話にも花が咲きました。
その中で心に残ったのが先生の「言われた時理解できて居なくてもまずは素直に受け止めておけば後から理解できる時が来る」という言葉でした。
例えば高度な技術などに関しては一つ一つの動作を細かく意識しながら行うのは至難の技ですし、説明が抽象的になることもあります。
しかし、その場で理解できなかったとしても自分の技量がその領域に近づいた時に
過去に教わった事と繋がって一気に理解が進むことはよくあるのです。
また、自分では言われている通りにやっているつもりでも外から見ていると上手くいってないこともよくあります。
そんな時に「自分はちゃんとやっている」と突っぱねても大概は外から見て出来てないということは本当に出来ていないので、その意地は成長を止める事にしか繋がらないのです。
しかし、「素直に受け止める」という事は決して「思考を止める」ということでは無いということも仰っていました。
常に指導された内容を自分の中で最適化するために考え抜く姿勢を持った上で素直に受け止めるからこそ正しく先に進めるという事です。
これは空手に限った話ではなくあらゆる場面に活かせる考え方だと思います。是非お役立てください。