今回はここ最近の話題とはガラリと方向性を変えて私の好きな曲の話です。
amazarashiを皆さんは知っていますか?正直私自身も去年くらいに知ったばかりで、良いアーティストだからこそまだまだファンを名乗れるほど知らないなとは思うのですが、今回はこの一曲が自分にとても刺さったので紹介します。
ヒーローとは銘打たれていますが歌詞に注目してみると、誰もが憧れる完全無欠の存在ではなく、自分が弱い存在だと分かっていながら、それに向き合いながらも強がって一歩一歩進んでいく。そんな曲です。冒頭からして好きな相手の前でかっこ悪い姿を見せたくない。そんな所から始まるのが個人的にも共感できます。
自分が立派な存在だとはとても思わないが、どん底に最悪というわけでもない。この感覚はなんとなく分かる人は多いのではないしょうか。そしてなんとなく映画にあるような劇的な命を掛けるシーンが自分に訪れれば捨て鉢になってもがむしゃらに頑張れる。裏を返せばそれほど追い込まれなければ踏み出せないだろうという諦観も感じます。
私はこの曲の中に出てくる歌詞にとてつもなく心を掴まれました。
孤独になっても夢があれば
夢破れても元気があれば
元気がなくても生きていれば
「生きていなくても」とかあいつらそろそろ言い出すぞ
何度かこのブログでも言っていますが私はアマチュアでコントラバスを弾いています。幾つか所属している団体は有るのですが、大学のOBOGオーケストラはコントラバスパートは私ともう一人かなり年上の方しかおらずパートの運営はほぼ自分に任されてしまっていました。そんな中マーラーという作曲家の交響曲第一番を演奏することになりました。
クラシックを聴かない人にはピンと来ないかもしれませんがこの曲には割と有名なコントラバスのソロが有ります。普段ベースラインで盛り上げ役が多いコントラバスが突然本当にむき出しの状態で弾かされるのです。とても名誉であり誰にも譲りたくない気持ちと逃げてしまいたい気持ちがせめぎ合う一曲です。
たった8小節、ただそれだけ、それもとてつもなく難しいかと言われるとそうでもない、しかしそこに全てをぶつけないといけないからこそコントラバスを弾く人にしか分からない苦しみが有るのです。
折り悪く当時は二人しかいないコントラバスパートのもう一人とはあまり関係性が良くありませんでした。その上で他のパートの仲間ともソロにかける思いは共有が難しい。どんどん負のスパイラルに陥ってしまい合奏中も手の震えが止まらなくなることがよくありました。
その時ふとこの曲を聴いていると自分と重なっているような気がしたのです。
歌詞で言う夢が自分の目指している演奏だと思うと、周りの仲間の励ましがどんどんハードルが下がっていく。どんなにぐちゃぐちゃになってしまってもきっと終演後には優しい言葉を掛けてくれるでしょう。その光景がありありと思い浮かべられて絶望的な気分になりました。
でもこの曲はそこで終わりじゃないんです。聴いているとこの歌も絶望を感じながらも周りの世界を嫌いになりきれない情景が浮かんできます。
起死回生の一撃は きっと怒りか悲しみだ
聴いてもらえば分かるのですが青字の部分の歌い方がとても優しげというか儚くて負の感情を抱いている事その物への悲しみを表している様に思えます。
さらにその先にある歌詞では
どうせ「世界よ終われ」と願っても
世界はくそったれのまま 続いてく
とあり、これも途中までの 憤りが前面に出ているのが青字の部分でふとそんな世界を嫌いになれない自分と向き合っているような歌い方になっています。
そしてこの歌は辛いことも弱さも何もかも受け入れて、それでもヒーローだと言い張って進んでいくという事を伝えて終わるのです。
この曲の意図はもっと別のところにあるかもしれないし、私の感じた曲に対する臨場感を100%共有することは無理かもしれません。
しかしきっと聴く人それぞれに何か感じ入る事がある曲だと思いますので是非聴いてみてください。