年度末、働き過ぎでヘトヘト。勤労意欲の全く失せた或る晩、慰みを求めて秋葉原~上野のジャンク屋を彷徨っていたら、御徒町で、遭遇。
「ジャンク品 音出ません 1,100円」
MarshallのValvestate8010。90年代初、当時まだアマチュアには高嶺の花だったマーシャルアンプを一般に普及させたシリーズの、最小モデル。Valvestateといっても8010と8020はソリッドステートで、8040から上位がプリアンプ真空管(12AX7)とパワーアンプソリッドステートの、ハイブリッドである。
夜、Webで8010の回路図を調べたら、トランジスタアンプの教科書のような回路で、これはどんな壊れ方をしていたとしても、勉強になるし楽しめそうだ!
翌日、大きなバッグを持って再度行き、セルフ電源チェックコーナーで繋ぐと、確かにウンともスンとも言わないが、Volume最大でかすかに「サー」という音がし「これはイケる!」と確信。
それにしても、めちゃくちゃ汚いな。このまま粗大ゴミ処分場に置かれていても、全く違和感ない。
持ち帰って背面を見ると、バーコードシリアルで、93年、イギリス製。
Marshall創立者のジム・マーシャルは、外貨を沢山稼いだ功績で、女王陛下から表彰された。
Marshallはこの頃から、廉価版アンプのスピーカユニットを自社製にした。量産とコストダウンのためだろう。
電源を入れて暫くいじっていたら「ボン!!」という大きな音がして、ノイズだらけだが音が出たり出なくなったりし始めた。どこかのコンデンサの容量が抜けてたのかも。ボリュームやトーンのガリも、驚くほどひどい。でも、ゴールは見えたようだ。
(つづく)