なんにも起きないドラマでも、ドラマがドラマであるように、平凡といわれる暮らしの中にでも幾度となく変化は訪れる。


きっと物語は、必ずしも一人に一つだけではなく、人生の中に多々あるものであり、それ故に結末っていうのも数え切れないほど訪れるものなのではないかと思う。



例えば、できなかったという終わりがあれば、できなかったという続きがあり、できなかったことを続けるか、できなかったことと違うことをするか、または、できなかったからなんにもしないかで、道は再び枝分かれし、新しい物語が始まっていく。続編というものが始まる。



死んじゃうことだけが人間の結末なんかじゃないんだと思う。過程があり、結末がある。何度となくそれは繰り返され、物語は増え続けていく。



一度だけの人生であっても、その一度の中に幾度の物語がある。生きるとはそういったもののような気がする。