前回に引き続き、音の雑誌「KODAMA(コダマ)」の後期型を紹介する。
昭和39(1964)年4月9日発行の第50号。
メイン特集は、当時リバイバル上映された映画「鉄道員」。
日本初の音の雑誌として期待された「KODAMA」だが、号数を重ねるごとに苦心は続いた。
まず、創刊2年目に入った昭和35(1960)年の第11号では、初めてステレオ録音のソノシートを採用し、話題となった。
だが、その直後、業績不振を理由に、第13号でひとまず休刊を余儀なくされるが、翌年(昭和36年4月)に刊行を再開した。
再開後は、一時的にシートが2枚と減らされたが、ほどなく3枚に変更、そのまま定着することになる。
内容的には、11号あたりから洋楽ポップスや映画音楽の独自カヴァー音源をメインとするようになり、ブックにおいても、自社商品も含めて、広告が減っていった。
また、創刊当初からあった、本誌に引っかけるために付いていた、シートホルダーの役割りをする、耳の部分が、取り扱いが不便として、復帰作となる第14号から廃止された。
このほか、創刊時から表紙を飾っていた女性モデル(主に女優が中心だった.)が、特集に合わせた写真(映画のスチールなど)に変わった点(30号以降)、本の大きさが微妙に変わった点、シートの色が複数だったのが水色に統一された点などがある。
ブック(ジャケット)の大きさを比べてみた。
初期型は、縦15㎝×横16㎝なのに対して、後期型は縦16㎝×横16㎝と微妙に大きくなっている。
これは、通常のEPレコードジャケットを、ほんの少し大きくした形となっている。
「KODAMA」と同じ時期に創刊した「AAA(トリプルエー)」は、あいにく筆者の手元にないため、またの機会とさせていただく。
構成・解説 ソノ太郎
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「コダマのこだま」は、毎月10日の午前10時掲載です。