私は、このEL34PPについて調べすぎて?、自作できなくなったという

情けない経験がありますし、過去、何回かちょっと書いた事があるので、

少しだけ、詳しく書いてみます。

 

故伊藤先生は、基本回路について、例のSB誌に、

 

”Westrexの2192Fの回路を元にした”

 

と、記述されているのですが、変なところにこだわる私は、当時、

 

”なぜ、2192F型であり、それ以前の型とはどう違うんだろう?”

 

と、変にこだわり、調べていましたが、資料が全然、見つかりませんでした。なので、

のちに、”VT-25.com”さんのホームページから、”2192A&B”と、”2192F"の

回路図を見つけた時は、大喜びでした。私のHPへの掲載許可を2回位願ったのですが、

御返事がなく、今回は、申し訳ないですが、了承なく、掲載させていただきます。

 

2192A&Bの回路図ですが、

 

 

なんですが、私にすれば、

 

なんだこりゃ?

 

の回路で、2192F型と何の類似点もなく、多分、RCAの映画館用の

回路の発展型で(Westrexは、米国以外の映画館用の機材を一手に賄っていました)、

出力管は、”KT-66”なのに、入力増幅部は”12AU7"と、記載されていることから、

元々は”6L6”を使った、米国系のアンプだったと思います、根拠は、

英国の回路図では、絶対、”ECC82”と、記載しますので。

 

で、2192Fの回路図ですが、

 

 

これも、わたしにしたら、なんだこりゃ?の回路図で、”Mullard”の

肝いりで、1955年に、”Wireless World”に

 

`Design for a 20-Watt High Quality Amplifier' 

 

として、発表された、後の”Mullard 5-20”

 

 

の回路と、わたしにしたら、一緒に見えます、2192F型の回路図の

右下には、”1960年11月9日第3版”と書かれていますので・・・

 

ちなみに、この回路図が掲載されている元記事に、

 

”distributed Load"

 

と、書かれていたので、

 

なぜ、”Ultralinear”と、書かないんだ?

 

と、これまた、変なところにこだわる私としては、悩んで、

色々と調べました、はい。

 

 

この辺の疑問点については、以下の記事である程度わかりました。

 

このMullardの5-20は、米国にも伝わり、”Radio & Television News"の

1956年4月号に、

 

 

という、後追いの製作記事が掲載されました。

 

で、この記事には、

 

 

という、TraiodeとPentodeがひっくり返っているような気がしますが、

EL34の規格が記載されていました、ちなみに、私は、EL34ppの

三極管接続の製作記事は、海外で発表されたものは見たことが

ありません。

 

で、この表の真ん中の”6.6k”のところに

 

Distributed-Load

(”Ultra-Linear")

 

という記載があり、この記事には、

 

 

わざわざ、”UltraLinear”についての記載がありましたので、

当時は、”Mullard”と”Acrosound”の間で、もめていたのではないか、

と、推測しています、暫く後に、”43%”にこだわって"Ultra-LinearⅡ”に

なりましたから。

 

この記事の回路図は、

 

 

と、いう、ほとんど"Mullard 5-20"の回路図と一緒ですが、

整流管が、米国での入手の容易さからか、"GZ32orGZ34"と

なっています、写真ではGZ34を使っていますが。

 

で、出力トランスについては、

 

 

EL34のインピーダンスが6600オームであることから、

”Acrosound”の”TO-300”

” Dynaco”の” A-420”

が、推奨されております。

 

確かに、

ちょうど良さそうですね。

 

当時は、Acrosoundの評判が良く、

 

 

多分、OY-36型と思いますが、こんなカタログがあったくらいです。

 

 

ちなみに、最初の、

 

”なぜ、2192F型なんだ?”

 

と、いう疑問は、

 

 

に、あるとおり、”2192C&D”型と、ほとんど変わっていないと思います。

情報か現物が、日本に最初に入ってきたのが2192F型であり、

当時の英国では

 

輸出か死か

 

の状態から、米国製品には禁止税的な関税がかかっていたので、

米国製と思われる2192A&B型を、2192C&D型に切り替えたと

思われます。

 

こんな話は、普通の人には関心がないと思っていたので、ここまで

ブログで書いたことはありませんでしたが、もうちょっと、真面目に

書けば、雑誌に投稿できるようなブログでした(^^;