ものづくりってなんでしょうか? | Analog of Magic もみじとクラフトマンのblog

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ものづくりってなんでしょうか?

 

商業におけるものづくりはお客さんが笑顔になれるものをつくること
同人におけるものづくりは自分が笑顔になれるものをおすそ分けすること

 

だと私は思っています。


だからAoMは新しいものを乱発しません。全く知識がない人が理解するのは難しいかもしれませんが理論的に説明できるものしか出しません。理論的に説明できたとしても自分が許せるレベルの特性ではないものを人に買ってもらうのは心が痛みますし、それはとても不誠実だと思いますのでこれも出せません。

 

このように考えていなければZwei FlugelやVier Flugelのようにデータは出せません。それが許されるのであれば一番良いところだけ載せます。中身も他のアンプよりも良いくらいのところを目指します。やろうと思えば少し無駄な部品を足して知識のない人を煽ることもできますし理想から離れたバリエーションを作ることもできます。

だけどそれでは誰も笑顔になれない。それは健全なものづくりではないと思うのです。


私なら不安のある道具をそのまま使うのは嫌です。どれだけ性能が出ているかもわからないものや次々と新しいものが出るようなものは安心して使えません。技術的な理由のない限定品も笑顔になるためのものではないように思ってしまいます。コレクション欲や所有欲は満たせるかもしれませんが。。

 

 

私は先日からある機器を設計しているのですが、これは私が最低限達成したい性能を出すのが少し難しいです。このハードルは世間一般のそれよりもはるかに高いものです。多くの場合は特性が悪いまま出回っています。「こういう構造だから…」で納得してくれる人もいるかもしれませんが、欲しいもの・笑顔になれるものと技術的な制約は全く関係ないと思っていますので私はそれを言い訳にするのは避けたいです。

知識や技術を駆使して笑顔をつくっていくのがものづくりだと思います。それを実現するためにはまずできることから積み重ねていくしかありません。知らないことはできないのですから。

 

何の根拠もデータもなくディスクリートが一番良い!みたいなことを言う人が多い界隈ですが、その機器は本当に笑顔のために設計されているでしょうか。その主張をする人は回路設計・プリント基板設計に詳しいでしょうか。

自浄作用のなくなった界隈は廃れます。作る人も買う人もAoMも私も良いものを長く使っていきたいなら・それが好きならよく考えて立ち振る舞わないといけないのだと思います。