音の良いコンデンサや音の良い抵抗や音の良いオペアンプという言葉をよく聞きます。これはいったい何を基準にしているのでしょうか?
結論から言えばこれは「自分の試した環境で自分の耳に合っているか」であり、部品の音が良いかは全く別だと思います。これだと「自分には音が良く感じた」か「自分の好み」のどちらかです。こうなってくるとオカルトとあまり変わりません。しかもこれは世の中に存在するすべての部品や考えうるすべての構造を試すことは不可能ですので、「試した中で自分が良いと感じたもの」です。
もし部品の音を比較するのであれば徹底的に理想アンプに近付けたアンプで行わないと本当の部品差はわからないと思います。もちろんそれぞれに向き不向きがありますので完全に同条件での比較は不可能だと思いますけれど。
受動部品も能動部品もメーカーや構造によって特性が異なります。ある程度以上の設計者でしたら設計段階で部品はだいたい決めているはずです。部品を決めないと部品のパッケージがわかりませんから、突き詰めたプリント基板設計もできなくなってしまいます。
このように設計されたものは一部でも全く違う部品に置き換えたらおかしくなるはずです。良くなる可能性があるのは、元々ついているものと同じような特性で性能が少し良いものくらいでしょうか。しかし部品の大きさが同じであれば、特に高価であるとかの事情がない限りは設計者がその部品を指定しているとは思います。
部品の性能を引き出せるも台無しにするも部品選びと回路設計、プリント基板設計にかかっています。